2014年上半期のNielsen音楽市場レポートが発表された。これによると、デジタル音楽の消費チャンネルはダウンロードからオンデマンド・ストリーミングに急速にシフトしつつある。オンデマンド・ストリーミングは対前年同期(上半期)比で42%のアップとなっている。2014年上半期には700億曲がストリーミング再生された。逆に、デジタル楽曲のダウンロードは13%ダウンして5億9360万曲に、アルバムのダウンロードは11.6%ダウンして5380万枚となった。
Nielsenのレポートを読むと、AppleがBeatsを買収したのは賢明だったと思えてくる。つまりiTunesのダウンロード販売モデルは急速に衰退しつつあるからだ。楽曲のオンライン、オフライン販売が低調だったため、ストリーミングを含む音楽産業全体の売上も3.3%ダウンした。
一方、独自の趣味を持った若い層の影響だろうが、アナログ・レコードの販売が対前年比で40%もアップし、400万枚となった。販売を伸ばした物理的媒体はこれだけだった。
これまで長い間YouTubeの音楽ビデオが音楽ストリーミングの主要なチャンネルだったが、Spotifyなどのオンデマンド・オーディオ・ストリーミングの登場で、音楽ストリーミングの成長は50%以上となり、ビデオの35%を大きく上回った。音楽ストリーミングに関してオーディオとビデオはほぼ同規模となり、2014年上半期にはオーディオが336億5000万曲、ビデオが366億4000万曲がストリーミングされた。この成長率が続けば、2014年末にはオーディオ・ストリーミングが音楽ビデオのストリーミングを追い越すことは確実だ。
こちらにNielsenのレポート全文をエンベッドした。
【中略】
この15年で音楽ビジネスはCD販売、Napsterによる海賊天国、iTunesのダウンロード販売、Pandoraのインターネット・ラジオ、YouTubeの音楽ビデオ・ストリーミングを経て、Spotifyのオーディオ・ストリーミング時代を迎えた。合法的なストリーミングが普及したことによって、近くレコードレーベルもこれまでの頑な態度を改め、各種の音楽ディスカバリー・アプリを許可するだろう。誰でも好みの音楽を自由に聞くことができる時代がついに実現しそうだ。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)