ギグエコノミーの隆盛を受けロンドン発のインシュアテックZegoが45億円を調達

ロンドンを拠点とするスタートアップのZegoが、ギグエコノミー労働者たちのための保険の必要性に気付いたのは数年前のことだ。そして同社は、当時Balderton Capitalが主導するシリーズAで600万ポンド(約8億1000万円)を調達した。その最初の保険商品は、食料配達人たち向けの従量制のスクーターならびに自動車保険だった。

今回同社は、欧州のインシュアテック(保険テック)スタートアップとしては最大規模である4200万ドル(約45億円)のシリーズB調達を、欧州全域をカバーするフィンテック並びにモビリティに特化した専門ファームであるTarget Globalの主導によって行った。同シリーズの支援者の中にはTransferWiseの創業者であるターベ・ヒンリクス(Taavet Hinrikus)氏も入っている。調達された資金は、Zegoのヨーロッパ全域での拡大と、従業員数を75人から150人へと増やすために使われる。

この調達によって同社の調達総額は5100万ドル(約55億2千万円)となり、既存の支援者であるBalderton CapitalならびにDST Globalのトム・スタッフォード(Tom Stafford)氏に、Latitudeが新たに投資家として加わった。この投資は、同社が過去12カ月間で10倍になるという、途方もない成長を遂げたことによって行われたものだ。

Zegoは、配車サービス、相乗りサービス、カーレンタル、そしてスクーターシェアリングといった新しいモビリティサービスの要求に応えるかたちで、従来の保険よりも柔軟な分刻み契約から年間契約に至る、さまざまな種類の保険ポリシーを提供している。保険料は車両から得られる利用実績データに基いて計算される。

これが意味することは、スクーターや車を使う配達人たちや、乗り合いやタクシーサービスの間で人気が高まっているということだ。同社は現在英国の食品配達市場の、3分の1の保険を担っている。その大きな部分はDeliveroo、Just Eat、およびUber Eatsとの提携を通したものだ。

ZegoのCEOで共同創業者であるステン・ザール(Sten Saar)氏は、次のように述べている。「私たちが3年前にZegoをゼロから立ち上げたときには、私たちのミッションは、急速に変化しつつある輸送業界の状況を真に反映した商品を生み出して、保険業界を変革することでした。世界はますます都市化が進み、そのことによって、従来の車両の『所有権』は、共有される『使用権』へと変化しています。これは、何百年もの間存在してきた、硬直した保険モデルが、もはや目的に適さないということを意味しています」。

Target Globalのリード投資家であるベン・カミンスキー(Ben Kaminski)氏は、次のように述べている。「新しいモビリティサービスの成長を受けて、Zegoは保険市場に大きな隙間を見出し、それを埋めるために独自のビジネスモデルを編み出しました。この会社の可能性はほぼ無限です。そして英国内での成功は、今後数年のうちにヨーロッパ全域はもちろん、その先へと反映されていくことでしょう」。

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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