コネクテッドフィットネス企業にとってパンデミックが続く2022年もビッグイヤー

毎年、CESの週は、筆者にとって健康的ではなかった。意図的でない断続的な断食はともかく、TechCrunchは展示会でのチームディナーで本当にそうする習慣がある。そしていうまでもなく、同僚のMatt(マット)はメキシコ料理レストランの「Tacos & Beer」に宗教じみた情熱を捧げている。

断っておくが、筆者は毎年、展示会の期間中は毎日必ず、何度も歩数をカウントしていた。ラスベガス・コンベンション・センターのホールを歩き回るテックジャーナリストならそうするはずだ。2022年は、TechCrunchがオミクロン関連の懸念からバーチャルでの参加にしたため、もちろん歩数は減った。

正直にいえば、筆者も同じ懸念のために、ジムに戻るべきか迷っている。そう思っているのは筆者だけではないだろう。2021年末、ジムなどの営業が再開したために、Peloton(ペロトン)のような企業の業績が後退したのは事実だ。しかし、パンデミックはまだ終わっていない。現在、全国の多くの地域で寒すぎて屋外で運動ができないとはいえ、狭い室内で息の荒い人たちと一緒に過ごすというのは、あまり理想的とはいえない。

この種のトレンドが長く続くかどうかを予測するのは常に難しいが、ここ数年でホームフィットネスの世界が大きく変化したことは間違いない。筆者は個人的に、こういったことがすべて終わった後(まあ、本当に終わると仮定しての話だが)、ジムに戻るつもりはないという多くの人と話をした。もちろん、すべてがパンデミックの結果というわけではない。PelotonやMirror(ミラー)といった企業は、私たちの多くが新型コロナウイルスというものを知る前から、多くの支持を得ていた。

もちろん、この手のことは、必ず度が過ぎる。この2年ほど、筆者の受信箱には、家庭用フィットネスサービスのメールが大量に送られてくる。できるだけ多くの企業がこのチャンスに便乗しようとしていることは明らかだ。Pelotonの収益やLululemon(ルルレモン)によるMirrorの買収などを前にしては、彼らを責めることはできないだろう。2021年の「オールバーチャル」CESでは、確かに盛り上がりを見せた。2022年も間違いなくそうなるだろう。

他の超ホットなテック分野と同様、生き残るのはごく一部だ。Pelotonは、CEOのJohn Foley(ジョン・フォーレー)氏による基調講演など、さまざまな形でこのイベントに大きく関与する予定だったが、今週初め、参加を見合わせる企業の長いリストに加わった。それにも関わらず、それを穴埋めする製品がたくさん登場した。

画像クレジット:LG

LGがこのカテゴリーで提示したのは、実用性よりもコンセプト性の方がはるかに高いものだった。どちらかといえば、同社のフィットネスバイクは、ホームフィットネスに同社の曲面モニター技術をどう取り込めるかを示すためにデザインされたものだった。自宅に運動器具を備えようとする多くの人にとってスペースと価格が割高であることと、この製品の大きさを考えると、選ばれることを自ら拒否しているように思えた。

2022年のホームフィットネス製品に「メタバース」という言葉があまり出てこなかったのが率直にいって驚きだった。VRフィットネスアプリのLiteboxer(ライトボクサー)は、そこで得点を稼いだ。「メタバースの夜明けは、より深いつながりの感覚への需要を示しています」と共同創業者でCEOのJeff Morin(ジェフ・モリン)氏はプレスリリースで述べた。「バーチャルリアリティでのワークアウトは、タブレット、電話、コンピュータといった二次元の画面よりも意味のある方法で人々をつなぎます。VRヘッドセットとあなたの勝利への意志さえあれば、誰でも最高のトレーナー、音楽、フィットネス技術とともに、世界のどこにいてもワークアウトができます」。

前述のプレスリリースでは「メタ」という言葉が4回出てくる。プレスリリースでは、ほぼ「VR」という言葉に置き換えて使われたようだ。Quest 2ヘッドセットの商品名だからだ。Liteboxer VRは3月3日にQuest Storeに登場し、月額19ドル(約2200円)のサブスクリプション制となる。

Echelon(エシュロン)は、Peloton(ペロトン)の高価格帯バイク「Bike+」に対抗するために設計した「EX-8s Connect Bike」を展示した。価格はBike+をわずかに下回る2399ドル(約27万8000円)だ。Walmart(ウォルマート)向けの超お手頃な製品も作っている会社としては、高い価格設定だ。この価格で、24インチの曲面1080pディスプレイが手に入る他、車輪部分のライトをカスタマイズできる。1月末に発売される予定だ。

画像クレジット:Wondercise

一方、Wondercise(ワンダーサイズ)はソフトウェアファーストのソリューションだ。同社は、離れた場所にいるエクササイズ愛好家同士を結びつけ、ジムから自宅への移動で生じる孤立感を解消するためのプラットフォームを提供することを目指している。以下は、同社のプレスリリースの資料から。

ライブリーダーボードでは、個人の技量に応じてスコアが表示され、セッションを楽しい雰囲気に演出します。画面上のカラフルなパワーバーやプロフィールは、ゲーム感覚で楽しめるよう意図的にデザインされており、ワークアウトに競争的な側面を加えています。Wonderciseは、いつでも誰でも必要とするパフォーマンス解析とデータが得られるよう、フィットネス業界にIoTを導入することに注力しています。

家庭用機器のカテゴリと同様に競争は激しくなっているが、ソフトウェアファーストのソリューションに比べれば、たいしたことはない。WonderciseはApple(アップル)やSamsung(サムスン)などのビッグネームと直接競合することになる。

一方、Hydrow(ハイドロウ)は家庭用ローイングマシンを代表する重要な企業の1つ。トレッドミルやバイクの先にある、これから本格的な成長が期待されるカテゴリーだ。自転車と比べると、漕ぎ手はより全身を鍛えることができるが、一般に消費カロリーは少ない。Pelotonが手漕ぎボートゲームに参入すると噂されているが、今のところHydrowがこの分野でのビッグネームとして存在感を示している。

画像クレジット:Echelon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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