コードレビューサービスのPullRequestがGoogleのGradient Venturesらから$2.3Mを調達

Y Combinatorの今年の夏季の卒業生PullRequestが今日(米国時間12/7)、230万ドルのシードラウンドを発表した。そのラウンドをリードしたのは、GoogleのAIに特化した新設ファンドGradient Venturesだ。そして、Slack Fund, Fika Ventures, Defy Ventures, Lynett Capital, FundersClub, Joe MontanaのLiquid2 Venturesらがこの投資に参加した。

同社は、コードレビューをサービスとして提供する。今日の高速でアジャイルな開発サイクルでは、コードのレビューがおろそかになりがちだ。同社は、オンデマンドで仕事に応じるコードレビュワーたちのシステムを編成しており、彼らがバグやセキュリティの問題、コーディングのスタンダード、それにパフォーマンスの問題などをチェックする。

それはGoogleのGradient Venturesのミッションとは無縁なようだが、PullRequestのファウンダーLyal Averyによると、同社のロードマップには単なるコードレビューサービス以上のものもあるのだそうだ。

そのプランとは、コーディングという工程にオートメーションを導入して、コードの依存性や、オープンソースのコード片などの、重要なアップデートを自動的に検出することだ。実はSlackが同社のシードラウンドに参加しているのも、依存性を構成するピースがアップデートを要請していることをデベロッパーに伝えるSlackボットで、PullRequestが初めて、このような自動化に取り組んでいるからだ。そのプロジェクトはまだアルファでテスト中だが、同社の今後進むべき方向性を示している、とAveryは説明する。

Averyによると、コードレビューというサービスは、コーディングプロセスに関するデータの量がどんどん増えていくし、またレビュワーに問題がある場合もある。そこで同社は、コードレビューの過程そのものをレビューしスコアをつけて、適正なデータ集合を作らなければならない。彼の見解では、コードレビューが完全に無人化することはありえないとしても、そういうデータ集合を有効活用すれば、よくある一般的な問題なら修正を自動化できる。“最終的には、コードレビューをどこまで効率化できるか、という問題に帰結するんだよ”、と彼は語る。

8月にAveryに会った時点では、同社のレビュワーはおよそ200名、ユーザーは300社だった。それが今日(米国時間12/7)は、ユーザー企業1000社、レビュワー1900名に大きく成長している。

Y Combinatorを卒業したAveryは故郷のテキサス州オースチンに戻り、そこで新たに4名を雇用して社員数は6名になった。今回の資金の用途は、成長の維持と、来月とりあえず社員数を倍増することだ。そしてそこから、新たなスタートが始まる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。