サトヤ・ナデラ執行副社長がMicrosoftの新CEOに就任―ビル・ゲイツはテクノロジー・アドバイザーに

Microsoftは大方の予想どおり、スティーブ・バルマーの後任の新CEOにサトヤ・ナデラ(Satya Nadella)を任命したと公式に発表した。 NadellaはMicrosoftに過去22年間在籍し、これまでクラウドとエンタープライズ担当執行副社長を務めていた。ナデラは同時にMicrosoftの取締役会にも参加する。ファウンダーのビル・ゲイツはこれまでよりMicrosoftへの関与を強める

ナデラはMicrosoftのクラウドサービス事業の推進のカギを握る人物と認められてきた。ナデラはまたBing、Xbox 、Microsoft Officeの最高責任者でもある。ナデラはMicrosoftのビジネス・サービス事業をわずか5年間に15億ドルから50億ドルに急成長させた。

スティーブ・バルマー前CEOは全社員向けのメールでこのニュースを発表し、「Microsoftの将来に大いに興奮している」(バルマーらしい。この大男がいなくなると寂しい)と述べた。ナデラ自身も社員向けにメールを送り 、ゲイツにMicrosoftの業務に関与する時間を増やすよう頼んだことを明らかにした。ナデラはイノベーションの重要性を指摘し、特にモバイルとクラウドがMicrosoftの将来のカギとなる重要分野だと述べた。

私は今後10年間にコンピューティングがいっそうユビキタス化し、新しい知的環境を作り出すと考えている。ソフトウェアと新しいフォームファクターのハードウェアは手をたずさえて発展し、われわれのビジネス、生活、そして世界をさらにデジタル化することになるだろう。これを可能にするのは、ますますインターネットに密接に接続するようになるデバイス、クラウドの膨大なコンピューティング能力、ビッグデータをベースにした洞察、機械学習による知能だ。

ナデラはさらに将来のコンピューティング環境においてMicrosoftは独自の位置を占めているとして次のように述べている。

Microsoftは あらゆるデバイスを通じて、あらゆる人々、あらゆる組織にソフトウェアの力を届ける力をもった唯一の存在だ。巨大な可能性を持つプラットフォームとエコシステムの建設と発展の努力とその実績においてMicrosoftは比類ない会社だ。

ナデラのCEO就任はMicrosoftが現在190億ドルのサーバーおよびツール事業へさらに力を入れることを意味する。新CEOはXBox事業の責任者であり、知的所有権、対話的TVなどの分野にも手腕を発揮しそうだ。この点でもナデラは他の候補者よりはるかにCEOとして適任だ。ナデラ’はクラウドとモバイルの重要性を繰り返し強調したが、これはMicrosoftがハードウェア事業を軽視するようになることはないという決意の表明だろう。

MicrosoftはナデラのCEO任命と同時に、元CEOのビル・ゲイツがファウンダー・テクノロジー・アドバイザー(Founder and Technology Advisor)に就任することを発表した。これによってゲイツは現在よりも積極的にプロダクト開発に参加することになる。これはナデラがハードウェア事業に経験が不足しているとみられることに予め先手を打った動きだ。実際、ゲイツがベンチを出て打席に立つようになれば、チームは大いに強化されるだろう。新しい役職のもとでゲイツは時間の30%をMicrosoftの業務にあてることになる。

Microsoftの39年の歴史でナデラは3人目のCEOだ。その前はゲイツが1975年から2000年まで、バルマーが2000年から2014年1月までCEOを務めた。

Microsoftは今回の人事異動に関して太平洋時間午後12:00からウェブキャストを行うということなのでわれわれは引き続きフォローしていく。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+