スウェーデンのEVメーカーPolestarとEVインフラのChargePointがシームレス充電導入に向けて提携

スウェーデンの電気自動車メーカーPolestarとEVインフラのスタートアップのChargePointとの新しい提携は、顧客がPolestar 2の車をシームレスに充電できる車載アプリを発表し、充電体験の向上に狙いを定めている。

充電ステーションに接続して充電と支払いを行うシームレス充電は、請求や支払いを車両に任せることができるが、これまではTesla(テスラ)がSuperchargerネットワークによって支配してきた。他のほとんどのEVドライバーは、RFIDカードまたはスマートフォンを使用して充電料金を支払わなければならず、その利便性のレベルは従来のガソリンスタンドと同等だ。この提携により、ChargePointの13万カ所以上のステーションではこれらの余計な手順が不要になる。アプリはPolestar 2の車載インフォテイメントシステムに直接埋め込まれ、Google(グーグル)のAndroid Automotive OSで動作する。

シームレス充電への進出は他の場所でも行われているが、特に注目すべきはVolkswagen(フォルクスワーゲン)がディーゼル車の排ガス問題をめぐる米国規制当局との和解の一環として設立したElectrify Americaによるものである。同社は2020年11月にPlug&Chargeと呼ばれる車内決済技術を導入し、2021年モデルのポルシェのタイカン、フォードのMustang Mach-E、LucidのAirが同社のステーションでシームレスに充電できるようにした。

この提携はTeslaが自社ブランドの家庭用充電器Wall Connectorで追求したもう1つの分野である、購買体験にも狙いを定めている。Polestar 2のドライバーは699ドル(約7万6000円)の家庭用充電器ChargePoint Home Flexを車両購入と同時に注文でき、納車前に家に設置できる。

ChargePointのシニアバイスプレジデントであるBill Loewenthal(ビル・ローウェンタール)氏は声明の中で、これは両社の今後の提携のための青写真だと述べた。今回の提携はユーザー体験をバリュープロポジション(価値の提案)の重要な要素と考えている自動車メーカーとEVインフラ企業の間で、より多くの提携が始まるきっかけになるかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:PolestarChargePoint充電ステーション

画像クレジット:Polestar/ChargePoint

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(文:Mike Butcher、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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