スクウェア・エニックスは6月9日、2021年夏発売予定のNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」のティザーサイトを公開した。発売日・価格・購入方法、購入済みデジタルアセット管理用の「シールホルダー」(仮称)などの詳細な仕様は、決定次第発表する。NFTデジタルシールのトレードに関してはLINEのNFTマーケットプレイスで実施する。またLINEは同日、デジタルアセット管理ウォレット「LINE BITMAX Wallet」内のサービスとして同マーケットプレイスを提供予定と発表している(提供開始時期は、後日公開)。
資産性ミリオンアーサーで提供するNFTデジタルシールは、NFTが持つ特性に加え、絵柄が1枚1枚異なるという。そのため、ユーザーはデザイン面においても唯一無二のNFTデジタルシールを所有することが可能。NFTデジタルシールをコレクションする際には、購入済みデジタルアセットをブラウザー上で管理する専用の「シールホルダー」(仮称)で提供予定。
同NFTデジタルシールは、スクウェア・エニックスとdouble jump.tokyoが共同開発したもの。ブロックチェーンには、LINEがLINE TECH PLUSを通じ提供する「LINE Blockchain」を採用している。
LINEが提供予定のNFTマーケットプレイスは、LINE BITMAX Wallet内のサービスとして提供予定。LINE Blockchain上で発行されたNFTの二次流通市場を構築することで、ユーザー間での取引の中でNFTの付加価値が高まっていく場を提供し、エコシステム内で流通する価値の最大化を目指すという。
「ミリオンアーサー」シリーズは、シナリオに「とある魔術の禁書目録」の鎌池和馬氏、音楽制作に前山田健一氏を起用するなど、豪華スタッフ陣が集結。人気声優が演じるキャラクター、多数の著名イラストレーターが描くキャラクターイラストの競演でヒットを記録したスマートフォン向けゲーム「拡散性ミリオンアーサー」から始まった作品群を指す。
LINE Blockchain採用の理由
double jump.tokyoによると、LINE Blockchain採用の背景には、NFTを活用したサービスのUX改善があるという。
多くのブロックチェーン関連アプリの場合、暗号資産ウォレットのインストールがユーザーにとって非常に大きなハードルとなっているという課題がある。昨今、NFTが盛り上がりを見せる一方で、マスをターゲットとした日本のコンテンツホルダーにとってはウォレットなどに精通していない人がメインのターゲットユーザーとなっており、UXの改善がNFT市場拡大の大きな足掛かりになると考えているという。
これに対しLINE Blockchainでは、以下特徴によりNFTサービスの様々な改善が期待されるとしている。
LINE Blockchainの特徴
- ユーザー認証(鍵管理):NFTの取り扱いは多くの場合、カストディの規制などもあり、ユーザー自身が秘密鍵を管理することが求められる。LINE Blockchainでは、ユーザーは秘密鍵を自身で管理することなく、LINEのログインとLINE BITMAX Walletを連携させることで、普段利用しているウェブサービスの認証に近いUXを提供可能
- ユーザーのGas(トランザクション手数料)負担が不要:通常イーサリアムブロックチェーンなどでは、NFTの転送にはGas代金の負担がユーザーに発生する。LINE Blockchainの場合、サービス運営側が負担する形となり、よりシンプルなUXとなる
- NFTマーケットプレイス:LINE Blockchainを用いたNFTマーケットプレイスの構築が進められており、今後NFTの出品・購入が可能になる予定。また、LINEのトーク機能を活用したNFTの授受も容易になっていくとみられ、約8800万人が利用するアプリケーションを用いたNFTの二次流通も活発になっていくと考えているという
またdouble jump.tokyoは、「LINE Blockchain Developers」のAPIのGo言語向けライブラリーをオープンソースとしてGitHub上で公開した。同ライブラリーを利用することで、LINE Blockchain DevelopersのAPIへアクセスするためのHTTP設定や署名処理を簡略化し、迅速な開発を可能にするという。
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