スマホで楽しめるゲームカセット「ピコカセット」販売へ、Makuakeでプロジェクトを公開

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「ゲームをプレイする」と聞くと、スマホの画面からゲームアプリのアイコンをタップする、という動作を思い浮かべるんじゃないだろうか。

コンシューマーゲーム機もまだまだ健在だが、カートリッジやディスクといった物理メディアと並行して、ウェブ上で購入する「ダウンロード版」のゲームが増えている。

そんな時代に、30年ほど前に流通していたゲーム機の「カセット」(カートリッジ)を再現。スマートフォンのイヤフォンジャックに差し込むことでゲームをプレイできるのが「ピコカセット」だ。同社は東京ゲームショウ2015でこのガジェットのコンセプトとモックを発表していたが、いよいよ製品化に向けて動き出したという。同社は5月11日より、クラウドファンディングサービスのMakuakeにプロジェクトを公開した

このプロジェクトを手がけるのは「ピコカセ倶楽部」。Beatroboとシロクによる共同プロジェクトだ。Beatroboは、イヤホンプラグに差し込み、専用アプリを立ち上げることでコンテンツのダウンロードや音楽試聴などを実現する「PlugAir」と開発している。PlugAirはこれまで、米国の人気バンド「Linkin Park」をはじめとしたアーティストなどのツアーグッズやライブチケットの特典などに利用されてきた。ピコカセットはこのPlugAirの仕組みを転用したガジェットとなる。

今回第1弾として提供されるのはジャレコ(現:ハムスター)が1985年に発売したファミリーコンピュータ向けタイトルの「忍者じゃじゃ丸くん」。Beatrobo CEOの浅枝大志氏に聞いたところだと、やはり今回のプロジェクトで一番苦労したのはライセンスまわりの調整だったのだそう。

「通常のIPものだと、『キャラクターライセンス』の提供などはよくある話。ライセンスを受けてゲームキャラのフィギュアを販売するようなモデルだ。次のステップとしては、キャラクターライセンスを使って新しいゲームを作るというのがある。例えばアニメのライセンスを押さえて、ゲームメーカーがゲームを作るというモデルだ」

「だが今回は過去のゲームの移植で、かつゲームそのものも昔のままという調整が必要だった。また当然だが、当時のゲームはスマートフォン対応でプログラミングされているわけでもないので、(開発面でも)ゼロベースでのスタート。ゲーム業界でも極めてユニークな座組みだと考えている」

ピコカセットの反響は海外でも大きいという。プロジェクトでは今後継続してレトロゲームの復刻を進めるだけでなく、新作の開発や一般流通での販売、世界でのヒット作を活用した海外展開などを検討していくとしている。

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TechCrunch Japan

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