スマートウォッチの出荷は2020年の1Qまでは増加、Apple Watchが1位を堅守

全世界を襲う新型コロナウイルスによる打撃にもかかわらず、スマートウォッチの世界的な出荷台数は、今年の最初の3か月間成長し続けている。オンライン販売に牽引されたもの。調査会社Strategy Analyticsの新しいレポートが明らかにした。

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2020年第1四半期の出荷台数は前年比で20%増加した。昨年の第四半期と比べても、1140万ユニットから1370万ユニットに増加している。Apple Watchのグローバル市場でのシェアは55%で、トップの座に留まっている。それに続く2位はSamsung(サムスン)で、3位には順位を上げたGarmin(ガーミン)が入っている。

「スマートウォッチはオンラインの小売チャンネルを通してよく売れています。多くの消費者は、新型コロナによるロックダウンの中、スマートウォッチを使って自分の健康とフィットネスをモニターしているのでしょう」と、Strategy Analyticsのシニアアナリストを務めるSteven Waltzer(スティーブン・ウォルツァー)氏は書いている。

2020年の第1四半期に出荷されたApple Watchは760万台で、1年前の同時期に出荷された620万台から23%増加している。Apple Watchの市場シェアも54%から55%に増加した。

サムスンは昨年の170万台に対して、190万台のスマートウォッチを出荷した。ただし、市場シェアは15%から14%に減少している。ウォルツァー氏によれば、韓国での新型コロナウイルスによるロックダウンによって、サムスンのスマートウォッチの成長が鈍化したことと、ガーミンのような新たなライバルとの競争の結果だとしている。

ガーミンは2年ぶりに3位の座を奪い返した。第1四半期のスマートウォッチの出荷台数は110万だ。これは、1年前の80万台と比較して38%の増加となっている。この結果、同社のグローバルなスマートウォッチ市場におけるシェアも7%から8%に増加した。OLEDのカラータッチスクリーンを装備したVenuのような新モデルの貢献が大きい。

Strategy Analyticsでは、世界的なスマートウォッチの出荷は、2020年の第2四半期には鈍化すると予測している。新型コロナのパンデミックの影響だ。しかし今年の下期には、実店舗が再開し、自分の健康状態をモニターするためにスマートウォッチを使うようになる消費者のおかげで、売り上げも回復するとしている。

「スマートウォッチの長期的な見通しには、非常に明るいものがあります。新型コロナ後の世界では、若者も高齢者も、より健康志向が高まると考えられるからです」と、アナリストのWoody Oh(ウッディ・オー)氏は書いている。「スマートウォッチを使えば、酸素レベルなど、重要な健康指標をモニターすることができます。消費者も、手首に仮想ヘルスアシスタントを装着しておくことで、安心が得られるでしょう」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

投稿者:

TechCrunch Japan

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