タブレット洗剤のBlueland、使い捨てプラスチック削減促進へ約23億円調達

あなたが家で使っている掃除用洗剤の99%は水だ。そう、家の蛇口から出てくるのと同じものだ。水を運ぶなら自治体の水道システムの方が良いだろうという過激な発想で、Blueland(ブルーランド)は、使い捨てプラスチックを減らし、工場から小売店へ、そして小売店から自宅へと水を輸送する愚かさに歯止めをかけるべく、成功したタブレット型掃除用製品のライン拡大のため、2000万ドル(約23億円)を調達した。

2019年に立ち上げられたこのブランドは、さまざまな掃除用洗剤の市場にタブレット(錠剤)という形態を初めて持ち込んだ。同社の製品は、使い捨てプラスチックを永遠に排除することを約束する。創業以来40件の特許(および出願中の特許)を積み上げ、急速な成長を続けるために品揃えを増やしている。同社は2021年1年間で400%以上成長し、顧客生涯価値(LTV)が80%増加した。これは主に、製品ラインの拡大によるものだ。

今回の2000万ドルの資金調達は、消費者ブランドに特化したベンチャーキャピタルPrelude Growth Partnersがリードした。Bluelandはこれまでに、Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)氏、Adrian Grenier(エイドリアン・グレニアー)氏、Rent the RunwayのJennifer Fleiss (ジェニファー・フライス)氏、SweetgreenのNicolas Jammet(ニコラス・ジャメット)氏、Thrive MarketのNick Green(ニック・グリーン)氏など、業界関係者や著名人から3500万ドル(約39億円)を調達した。

「事業を始めた頃を振り返ると、共同創業者のジョンと私は、使い捨てのプラスチックパッケージをなくすというミッションに取り組んでいました。実は、それは決して掃除用洗剤に関するものではありませんでした。私たちは、自分たちが始められる可能性のあるカテゴリーや形態を幅広く検討しました。当時は懐疑的な意見が多かったですね」とBluelandの共同創業者でCEOのSarah Paiji Yoo(サラ・パイジ・ユー)は笑う。「20人くらいの投資家に、誰もエコに関心なんてない、人々が地球のために行動を変えることはない、と言われ続けた気がします」。

同社はエコを声高にアピールしている。Bコーポレーション(環境や社会に配慮した事業を行う会社)として認定され、クライメート・ニュートラル認証も受けた。1000万個以上の製品を出荷し、顧客ベースを100万人以上に拡大した企業としては、驚くべき偉業だ。その過程で、すでに10億本のペットボトルが埋め立てられるのを防いだと同社は見積もっている。

「Bluelandの高性能な製品と使い捨てプラスチックの廃止という使命は、掃除用品のカテゴリーで消費者の比類ない支持を得る結果となりました。同社は、この分野で最も急成長しているブランドの1つで、並外れた需要と極めて強いロイヤリティを有しています」とPrelude Growth Partnersの共同創業者でマネージング・パートナーのAlicia Sontag(アリシア・ソンタグ)氏は話す。「サラとジョンがBluelandを象徴的で強力なブランドへと成長させるために協力できることをうれしく思います」。

Bluelandの共同創業者サラ・パイジ・ユー氏とジョン・マスカリ氏(画像クレジット:Blueland)

ここに至るまでに、同社は技術面で大きな投資をしなければならなかった。一般的なCPG(消費者向けパッケージ商品)メーカーは製造委託先を利用し、配合も委託者任せになる。Bluelandは別の道を歩まなければならなかった。自社の仕様に合う製造委託先を見つけることができなかったからだ。

「当初、すべてを自分たちで配合しようと思っていたわけではありませんでしたが、受託製造業者を利用できるほどの余裕はありませんでした。洗浄スプレーの90%は水であることを知り、従来のやり方では意味がないと判断しました。十数社の洗剤メーカーを回りましたが、どこも私たちに頭が3つあるような、バカにしたような目で見ていました」とユー氏は振り返る。「彼らは、タブレットを作る機械を持たず、ほとんどの原料を液体で仕入れるため、私たちが必要とするものを作ることができなかったのです。それがきっかけで、奔走することになりました。製菓メーカーからビタミン剤メーカーまで、あらゆるメーカーと連絡を取り合いました。乾燥した形態で製造するメーカーなら私たちを助けてくれるのではないかと考えたのです。分かったことは、自分たちの手で製品を作らなければならないということでした。共同創業者も私も化学者ではありませんが、世界最大のナチュラルクリーニングブランドの1つであるMethod(メソッド)の配合担当ディレクターを招聘することができました。私たちは、ハンドソープからスプレー式クリーナー、洗濯用洗剤、食器用洗剤まで、さまざまな洗剤にタブレット型をいち早く市場に導入したのです。その結果、すべての製品で使い捨てのプラスチックを使用しない洗剤のトップブランドとなることができました」。

画像クレジット:Blueland

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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