米国は来年秋の大統領選挙に向けて政治の季節に入りつつあるが、選挙集会のライブストリーミングプラットフォームとしてトランプ大統領はAmazonのTwtchを選んだ。
Twitchはもちろんゲームの世界では有名だが、政治を含めてそれ以外のコンテンツではこれまでさほど知られていなかった。
本人認証されたDonaldTrumpというTwitchアカウントは、まずReuters(ロイター)が発見した。 アカウントのトップにはダラスの選挙集会が予告されているが、アップロードされたビデオはまだミネアポリスの選挙集会1本だけだ。
アップされたビデオにはユーザーが製作した各種のビデオリプライが表示されている。称賛しているものもあればLOLとかKEK(LOLと同じ意味のネットスラング)というビデオもある。
Twitchを活用している大統領候補はトランプ氏だけではない。民主党の有力大統領候補であるバーニー・サンダース上院議員も数カ月前からこのプラットフォームを使っており、フォロワーは8万8795人とトランプ大統領の3万7754人を大きく上回っている(現在はサンダース氏は8万9309人、トランプ氏は7万5476人)。
トランプ大統領は8月6日にはお気入りの拡声器、TwitterでGoogleのスンダー・ピチャイCEOを名指しで取り上げて攻撃している。
@sundarpichai (Google)はホワイトハウスの執務室にで私に好意を持っている、政権はよくやっていると思う、Googleは中国の軍と無関係だ、2016年の選挙でロクでなしのヒラリーを応援して私の足を引っ張ろうとしたことはない等々と懸命に説明した。
Twitterはこの物議をかもすトップユーザーがAmazonグループのストリーミングプラットフォームといちゃついているからといって不満を感じることはあるまい。もっともジェフ・ボゾと罵られたベゾス氏がトランプがTwitchを使い始めたことを喜ぶかどうかは別だ。
Twitter自身のストリーミングツールであるPeriscopeもトランプ氏は使っているが、Twitchのほうがゲーマー向きであるだけに選挙集会をストリーミングするには向いていると考えたのだろう。Periscopeはどちらかというとリアルタイムで現場の状況をモバイルデバイスに中継するのが目的だ。Twitchは自宅でくつろいでデスクトップの大画面から見るユーザーが多いだろう。
ゲーマーの世界はトロルが多く生息することでも悪名高いが、それならトロル大王のトランプにはさらにぴったりだ。
最近、PeriscopeではTwitterは不適切なコメントに対して 以前より強い方法で規制を行っている。また会話の健全さを守るという目標を実現するためにフェイクやスパムに対する取り締まりも強化している。それやこれや考え合わせるとトランプ大統領がTwitchを使ってくれたのはTwitterにとって面倒ごとを避けられることを意味したのかもしれない。
TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏はそれでなくてもトランプ大統領が次にどんなツイートをするかいつもヒヤヒヤしてきたに違いない。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook)