カレンダーを仕事のメインのインターフェイスにすることを目指すアプリ、Heraを紹介しよう。Heraは自然言語処理で会議のスケジューリングを簡単にし、あなたの空いている時間をメールやメッセージングアプリで共有する。それ以外の業務用ツールとの統合も進められているので、会議前に重要な情報を確認し、会議後に情報を取り出すこともできる。
Heraは、Eurazeo(当時のブランド名はIdinvest)と数人のビジネスエンジェルによるプレシードラウンドで46万5000ドル(約5300万円)を調達した。その後、YコンビネーターのS21期に参加し、Eurazeoが主導するシードラウンドで170万ドル(約1億9000万円)を調達した。
Heraに投資したビジネスエンジェルには、Alexis Bonillo(アレクシス・ボニーロ)氏、Thibaud Elzière(ティボー・エルジエール)氏、Kyle Parrish(カイル・パリッシュ)氏、Calvin French-Owen(カルヴァン・フレンチ・オーウェン)氏、John Gabaix(ジョン・ガベックス)氏、Karthik Puvvada(カールティック・プバダ)氏がいる。他にNotion CapitalとKima Venturesも投資した。
もともとHeraは会議中にメモをとることを主眼としたカレンダーアプリとしてスタートした。Yコンビネーターに参加した後、プロダクトは大幅に進歩した。現在は、たくさんの(バーチャル)会議に関わる多忙な人がイベントのライフサイクル全体を管理するアプリになっている。
まず、Heraは会議の予定を立て、準備をするのに役立つ。わずか数クリックで複数の時間帯を選択できる。その後、わかりやすいテキストが自動で生成され、このテキストをコピーして、メールやWhatsAppの会話など次の会議について話している場のどこへでもペーストできる。
これはメッセージを受け取る人にとって、これまでの会議スケジューリングツールよりもずっと親しみやすいインターフェイスだ。発信元の人はリンクを生成する必要がなく、相手はリンクをクリックして会議の日時を確認する必要がない。
次に、Heraは今後の会議の関連情報を取り出す。会議をする相手に関する情報はすでにたくさんあるはずだ。メールを送受信したりする他、CRMを使っているかも知れないし年に数回会っているかも知れない。
共同創業者でCEOのBruno Vegreville(ブルーノ・ベグレビル)氏は筆者に対し「我々はプロジェクト管理プラットフォームになるつもりはありません。ユーザーがすでに使っているツールと統合しようとしています」と述べた。
Heraを使って会議の前に大切なことを忘れないようにメモを作成することができる。会議中にメモを追加し、その後はこのデータをNotionなどメモを記録するアプリに書き出せる。
現時点ではHeraはGoogleカレンダーをレベルアップしたい人に最も向いている。今後は複数人数で使えるコンポーネントが追加される予定だ。例えば自分と相手の両方がHeraを使っていればスケジューリングがもっと楽になるだろう。自分のカレンダーから直接、他のHeraユーザーに言及して会議のフィードバックをもらうことも想像できる。
ここ数カ月間、Heraはプライベートベータだった。同社のビジョンは明確だ。Superhumanなどの生産性ツールはスレッドを整理して受信メールに対応する際の効率を上げてきた。会議をスレッドと考えれば、HeraはカレンダーのSuperhumanになる可能性がある。
画像クレジット:Hera
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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)