サンフランシスコに本拠を置くヘッジファンドのPartner Fund Management (PFM)は、 2014年に9600万ドルを血液検査スタートアップのTheranosに出資したと報じられているが、昨日(米国時間9/10)、同社はTheranosとそのファウンダー、エリザベス・ホームズを訴えたことが明らかになった。
PFMは契約締結にあたってTheranosが「一連の虚偽の説明をし、重要事項について誤った説明をし、また説明を省いたこと」によって不当に投資に誘い込まれたとしている。同時にPFMは「Theranosは証券詐欺その他の法律違反を含むこれら不法行為によってPFMに投資を決定させ、継続させた」と主張している。
PFMが名を連ねている 1億9800万ドルのシリーズC-2ラウンドの資金調達の結果Theranosは90億ドルの企業価値と評価されことになった。Fortuneは2014年6月にこのラウンドに関連してエリザベス・ホームズに好意的論調の記事を書いている。Forbesは後にこの記事に長文の訂正を追加した。
Wall Street Journalによれば、月曜にPFMが投資家に送った書簡で同社がデラウェア州の裁判所に訴を起こしことが明らかになった。PFMは「ホームズと他の経営幹部はPFMNに対して『Theranosが独自に所有権を有し、有効に稼働するテクノロジーを開発した』という明白極まる虚偽を告げた」としている。またTheranosはこのとき「行政の承認は間もなく得られる」と語ったという。
Theranos側では「この訴には根拠がなく、Theranosは断固として争う」と述べた。
先週、Theranosはラボ業務を閉鎖し、 340人(全社員の40%)を解雇した。同社は血液検査ではなく小型の医療検査機械の開発に集中していくとしている。
しかしこのミニチュア・ラボは8月にフィラデルフィアで開催されたカンファレンスで発表されたものの、科学者や医師その他の医療関係者からの評価は低かった(TechCrunch記事)。
画期的とされる新テクノロジーの内容がどの専門誌の記事、論文によっても裏付けられていないことに気付いた専門家がTheranosに疑問を呈し始めたのは1年以上前になる。その後、Wall Street JournalはTheranosのテクノロジーは現実に使われているのかというさらに深刻な疑問を抱いた。連邦政府の機関がTheranosを精査した結果、この7月にホームズは、すくなくとも向こう2年間、医療検査業務に携われることを禁止された。
Wall Street Journalを含む多数の記事によれば、2003年に公式に設立されて以來、Theranosは7億5000万ドルの資金を調達している。CrunchBaseには初期の投資者として、DFJ、ATA Ventures、Continental Ventures、Tako Venturesなどの名前が上がっている。2015年10月のFortuneの記事によると、レイト・ステージの投資家には、BlueCross BlueShield Venture Partners、Continental Properties Co.、Esoom Enterprise(台湾)、Jupiter Partners、Palmieri Trust、Dixon Doll、Ray Bingham、B.J. Cassinらが含まれる。
Wall Street Journalがインタビューした情報源によればPFMは投資の返還と損害賠償を求めている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)