ベテラン編集者が手がける「note」は個人の発信とコミュニケーション、課金までをワンストップで実現する

週150円でクリエーターやコラムニストの記事約4600本を閲覧できる「cakes」。このcakesを手がけるピースオブケイクが、個人向けのメディアプラットフォーム「note」 を4 月7 日に公開した。

noteでは、トーク(Twitterのような短文と画像)、イメージ(写真やイラスト)、テキスト、サウンド、ムービーといったコンテンツを1つの「note」というプラットフォームに投稿して公開できる。note上でほかのユーザーとコミュニケーションをとったり、お気に入りの投稿に「いいね!」同様の「スキ」をつけたり、ほかのユーザーをフォローしてタイムライン上で更新情報を閲覧したりすることも可能だ。ユーザーの好みや時間帯に合わせて、最適なコンテンツもレコメンドするという。


また、コンテンツ単位での課金、コンテンツ全体での継続課金も可能(継続課金およびムービーへの課金は今後対応)となっているほか、課金する場合はどこまでを無料で「チラ見せ」するかも指定できる。決済手数料および、販売価格から決済手数料(5%)を引いた額の10%がコンテンツの販売手数料となる。決済手段は現在カードのみだが、今後は各種の決済手段に対応する。

「個人のクリエーターが気持ちよく活動できる場所、ここでビジネスをして、ごはんを食べられるようにするという場所にしたい」——ピースオブケイク代表取締役CEOの加藤貞顕氏はこう語る。加藤氏はアスキーやダイヤモンド社で雑誌や書籍、電子書籍の編集に携わったのちに起業。2012年にcakesを公開した。

cakesは著名人のコンテンツが中心となったプラットフォームだ。だが加藤氏は当時から誰でも個人で発信できるプラットフォームを作ることにも興味を持っていたのだという。「たとえばある作家が書籍を出した場合、それはファンが買っている。でも作家は雑誌にも連載を持っていたりする。作家にとっては雑誌は『出会いの場』であり、書籍は『コミュニケーションの場』。こういったものを、個人向けにも提案したいと思っていた」(加藤氏)

そういった出会いの場、コミュニケーションの場としてオンラインで機能しているのは、メールマガジンやオンラインサロンではないかと加藤氏は考える。だが、メールマガジンでは表現力も乏しく、インタラクティブな部分も質疑応答コーナーがある程度。一方でオンラインサロンはコミュニケーションが中心でコンテンツが乏しくなる。加藤氏は「ウェブの良さはインタラクティブで、オープンで、シェアできること。(メールマガジンやオンラインサロンのように)『閉じる』場所と、『開いている』場所を統合できれば、それこそが未来の本の姿になるのではないか」と説く。そこでnoteでは、無料ブログやTwitterのような開かれた場と、有料でコミュニケーションする場、有料でコンテンツを販売する場を1つにして提供するのだという。

こう書くと、クリエーター向けのサービスのようにも思うかもしれないが、加藤氏は「個人にブログ感覚で利用して欲しい」とも語っている。僕も実際にデモを利用してみたのだが、テキストの投稿などは(加藤氏は「Mediumを意識した」と語っていたが)非常に直感的なユーザーインターフェースを採用しており軽快だし、写真もアップロードするだけで、それなりの見栄えになる。将来有料でコンテンツを販売するかはさておき、まず無料ブログとして利用してみてもいいだろう。


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TechCrunch Japan

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