ペット業界向け求人情報・広告媒体や往診専門動物病院などのサービスを展開するTYL(ティーワイエル)は8月17日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資と融資による資金調達を発表した。引受先は、名古屋テレビ・ベンチャーズと朝日メディアラボベンチャーズ。借入先はみずほ銀行など。2020年1月から現在に至る累計調達額は5億6000万円となった。
調達した資金は、「ヘルスケア領域のDXサービス」とTYLが語る「アニホック往診専門動物病院」や獣医師オンライン相談サービス「ペットオンラインコンシェルジュ」の拡大、新規サービスの発展に役立てられる。これらのサービス拡大に向けて、獣医師、動物看護師の採用による顧客支援体制の強化、サービス認知と利用拡大のためのマーケティングにも力を入れるという。
TYLは、「ペットの家族化推進」をミッションとする「ペット」×「IT」のスタートアップ。ペット関連の求人情報サービス「アニマルジョブ」、ペット業界向け広告媒体「HearPet」(ハーペット)などの経営支援・キャリア領域、アニホック往診専門動物病院やペットオンラインコンシェルジュといったヘルスケア領域、トリミングサロン検索予約サイトや犬のお役立ち情報サイトなどのペットライフという3つを柱に事業展開している。
同社のキャリアサービスは累計登録者数が17万人を超えており、2018年から2021年にかけて登録者数は約20倍に増加した。獣医師の登録者数は全体の14%。動物看護師は43%、トリマーは15%。また同じ時期の累計取引拠点数は約7倍に増えている。その約58%が動物病院ということだ。
ヘルスケア領域の新規事業アニホック往診専門動物病院は、サービスローンチから約2カ月で実績が約1600件を超えた。患者の9割以上が犬と猫であり、平日より土日祝日の午後に診察が多くなる傾向があるという。「ペットオンラインコンシェルジュ」は、全体の8割が猫に関する相談となっている。
アニホック往診専門動物病院は、現在23区中心に一部埼玉南部、神奈川北部をサービスエリアに設定。順調に推移すれば5年以内に全国大都市圏に拠点を持ち拡大させる計画としている。
ペットを家族としてずっと一緒に暮らせる社会を目指すTYLが、現在ペットにまつわる課題として考えているのが「人材の転職雇用環境」「脆弱なペット関連サービス経営」「不均質な医療」「不適切なマーケティング」だという。これらを解決することで、「ペット産業に纏わるステークホルダー」「ペットを飼う方」「ペット自身」の幸せに貢献できるとしている。
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