今日(米国時間1/30)、日本のホンダとアメリカのGMは、水素燃料電池を大規模に生産する新しいプロジェクトに向けた提携を発表した。2020年までに生産を開始するために両社は合計8500万ドルを投資する。負担額は50%ずつになるとみられる。水素燃料電池セルはホンダとGMの今後の製品に採用される。
このジョイント・ベンチャーの実施主体はFuel Cell System Manufacturing, LLCと呼ばれ、 ミシガン州ブラウンストーンに所在するGMの既存のバッテリーパック製造施設を拠点とする。この工場では現在、GMのVoltとBolt EV向けのバッテリーを製造している。
GMは長年にわたって水素燃料電池テクノロジーを研究してきた。水素燃料電池は自動車だけでなく、あらゆる産業で広く利用されるようになると期待されている。たとえばGMはアメリカ海軍と協力して燃料電池で駆動されるドローン潜水艇を開発している。またアメリカ陸軍はコロラド州でZH2軍用トラックのパワートレインとしてGMの燃料電池ベースのテクノロジーをテストしている。これは従来の内燃機関を利用したパワートレインよりもはるかに柔軟性が高いものと考えられている。
GMは総額30億ドル前後を燃料電池開発のために費やしてきた。同社は早ければ2020年まえに燃料電池自動車を消費者のもとに届けたいとしている。GMは水素燃料電池の開発に関してホンダと提携することを2013年に発表している。今日発表された生産までのスケジュールは、当初発表されたものに驚くほど近い。両社は新燃料電池セルは既存製品よりはるかに小型でコンパクトなデザインになるとしている。
GMのグルーバル・プロパルジョン・システム担当副社長、Dan Nicholsonはホンダとのジョイント・ベンチャーを発表したプレスカンファレンスで「今日の発表は燃料電池の時代がやって来たことをわれわれが公式に確認したものと考えてもらってよい」と述べた。
ホンダはすでにFCX Clarityに水素燃料電池を搭載している。この車種には今年中に完全電動車とプラグイン充電方式のハイブリッド2モデルが追加される予定だ。
この提携により、ホンダとGMは水素燃料電池の製造コストの低減と生産までの時間短縮を狙っている。燃料電池車に対する需要は両社とも高く、生産規模は大きなものになりそうだ。両社が提携によって生産規模を拡大すれば、納入業者に対しての立場が強まり、仕入れコストも低減できるだろう。
燃料電池テクノロジーは燃料補給ごとの最大走行距離や効率性で化石燃料エンジンや純粋電気自動車を大きく上回っているという。
〔日本版〕ホンダのクラリティのページ
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)