ポケモンカードやFunko Popなどをライブストリームで販売するWhatnotが54.4億円を調達

Whatnot(ワットノット)は1つの目標を心に抱いている。それは、ポケモンカードやスポーツカード、ピンバッジなどのコレクターズアイテムを、安全で信頼性の高い方法で売買できる場所を提供することだ。

同社は当初、GOAT(ゴート)やStockX(ストックX)のような再販市場を目指していた。そこでは、小さなページに、販売される商品の静止画像がずらりと並んで表示されている。やがて、それ以外の形式を試して行く中で、かなり有望そうなものを発見することになる。それが「ライブ配信」だ。QVCやHome Shopping Networkのようなもの(いずれも有名な通販番組)を想像して欲しい。ただしそれは、巨大なスタジオでホストが宝石や家具を売るようなものではなく、ユーザーがスマートフォンを使って、ポケモンカードやヨーダのフィギュアを売るのだ。

画像クレジット:Whatnot

Whatnotについて初めて書いたのは2020年のことだった。それから短期間のうちに、同社は徐々に大きくなる資金調達を続けて、同年12月に400万ドル(約4億3000万円)、2021年3月に2000万ドル(約21億8000万円)、そして米国時間5月25日に、さらに5000万ドル(約54億4000万)を調達した。

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Whatnotは今でも、売り手が24時間365日利用できるように、より標準的な商品ページを提供し続けているものの、今ではライブストリーミングの方が圧倒的に重要な役割を果たすようになった。共同創業者のGrant LaFontaine(グラント・ラフォンテイン)氏は、私に対して「注意の95%」がライブストリーミングに向けられていると語った。ここは、同社の売上の大半を占める場所であり、ユーザーが最も関心を寄せているところなのだ。

他に、ユーザーが気にしているものは?スポーツカードだ。Whatnotは1月にスポーツカードの販売者にサイトを開放したが、すぐにサイトの最も売上の立つカテゴリーになった。この1つのカテゴリーだけで、今では毎月「数百万ドル」(数億円)の売上を占めているという。

Whatnotのチーム自体も急速に成長している。私が最初に話を聞いたときには、まだひと握りの社員しかいなかったが、2021年の1月には10人に増えていた。そして現在は45人のフルタイム従業員がいる。年内には100名近くになるだろうとラフォンテイン氏はいう。

Whatnotのマーケットプレイスでは誰でも販売を行うことができるが、ライブストリームで販売ができるのは、審査や招待を受けたユーザーだけだ。このことは、不正行為を抑制するのに役立っている。売り手は、偽のカードを忍び込ませたり、誰かを騙そうとしたりすれば、ライブストリーミングへのアクセス、つまり買い手を失ってしまう可能性があることを知っているからだ。

同社によれば、今回のシリーズBラウンドは、Y CombinatorによるContinuityファンドのAnu Hariharan(アヌ・ハリハラン)氏が主導し、Andreessen Horowitz、Animal Capital、その他多くのエンジェルが支援したということだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Whatnot資金調達ライブストリーミングコレクション

画像クレジット:Whatnot

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(文:Greg Kumparak、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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