マイクロ投資アプリのStashがシリーズBで2500万ドルを調達

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金融知識をあまりもっていない人でも簡単に株式投資ができるアプリを開発しているStashは、シリーズBで2500万ドルを調達したと本日発表した。8月に925万ドルのシリーズAをクローズした直後に行われたこのシリーズBでは、既存投資家のValar Venturesがリードインベスターとなり、Breyer Capital、Goodwater Capital、Entrée Capitalがラウンドに参加していた。

Stashのほかにも、なるべくリスクを避けつつ株式投資に手をだそうとしているミレニアル世代を主なターゲットとしたマイクロ投資アプリはいくつか存在する。具体的にはAcorやRobinhoodなどが競合として挙げられ、特にRobinhoodは、これまでにNEA、Index Ventures、Andreessen Horowitzなどから6600万ドルを調達している。

競合他社同様、Stashは株の売買時やユーザーが口座からお金を出し入れする際には手数料をとっていない。その代わりに、残高が5000ドル未満の口座からは毎月1ドル、5000ドル以上の残高がある口座からは年間0.25%の口座維持費をとっている。

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定期的に手数料が発生するという意味では、口座に余っているお金に対する金利や、プレミアムラインのRobinhood Goldに含まれている新製品のマージンアカウントから収益を挙げているRobinhoodほど、Stashの料金形態は思い切ったものではない。

ビジネスモデルの違いはあれ、Stash、Acorn、Robinhoodの3社は、資産運用に重きを置いている旧来の投資業界には相手にされなかった人々という、同じターゲットを狙っている。

「Stashのゴールは、保有資産額に関わらず、できるだけ多くの人にプラットフォームを利用してもらうことです。私たちは既存の投資会社に過小評価されている、一度に少額の投資しかできない、そして投資額を少なくすべき人たちを主なターゲットとしています」とウォールストリート時代の仲間であるEd RobinsonとStashを共同設立したCEOのBrandon Kriegは説明する。

「私たちは顧客に対して、自分のリスク許容度や、金銭的な目標、意見、興味を反映した金融商品を使って、長期的に資産を運用するよう勧めています。何十億ドルもの資産を運用している投資マネージャーの多くは、顧客の長期的な財政状態を顧みずに、販売手数料や売買手数料を目的とした資産集めに走っているため、顧客と投資会社の利益が相反してしまっていることがあります」と彼は付け加える。

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Stashは既存の金融商品とは異なるプロダクトを提供しており、それが功を奏したのか、毎週1万人以上もの新規ユーザーを獲得していると同社は話す。さらに過去1年間の新規ユーザー数は、30万人以上に及ぶ。

マイクロ投資ツールの中には、利用者に代わって全てをこなすものもあるが、Stashではユーザーの意見やゴール、リスク許容度から割り出されたオススメ株の情報をもとに、ユーザー自らがポートフォリオを構築するようになっている。

ユーザーは、Stashが選んだ30銘柄以上の上場投資信託から、自分が投資したいものを選ぶことができる。また、候補となる銘柄は、過去の運用成績や手数料の割合、リスク内容、組入比率などを勘案したモデルをもとに選ばれる。

投資サポートと共に、Stashは投資に関するアドバイスやヒントを提供することで、ユーザーに投資の基礎知識を身に着けてもらおうとしている。

今日までに、Stashのユーザーは合計2500万ドル以上をアプリ経由で投資しており、その数は増え続けている。

Stashのようなサービスは、運営企業にとっては良いビジネスである一方、大きな収益をあげようと考えている顧客には、旧来の投資方法と比較して物足りなく映るかもしれない。Stashのようなアプリのおかげで、株式投資のハードルは下がっている可能性がある一方、ユーザーは数ドルからでも投資ができ、毎月維持費がかかるため、多額の現金を運用しない限り、ユーザーは投資というよりも株遊びをしていることになってしまう。

今回の調達資金は、アプリの強化や新機能の追加、オンライン教育ハブの「Learn」のような新製品の開発に充てられる予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter