今日(米国時間5/31)、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)のインターネット・トレンド・レポート最新版が公開され、そこには私たちの将来をテクノロジーががどう形作るかについての考察が満載だ ―― そして、今年は医療問題も取り上げられている。ミーカーが同レポートで医療に言及したのはこれが初めてであり、これは今後の私たちの生活を改善していく上で、テクノロジーが果たす役割の大きさを示すものだ。
レポートから重要な指摘をいくつか拾ってみた。
- ウェアブルデバイスの勢いは増すばかりで、米国人の25%が所有している(2016年の12%から上昇)。一番多いのが移動速度を追跡するデバイスで、心拍数の測定がそれに続いている。
- 多くの人々が健康アプリをダウンロードして、健康データを共有する意志を持っている。
- ミーカーのレポートによると、2016年には60%の人たちが健康データをGoogleと共有してもよいと考えている。
- 消費者は商用検体検査サービスをかつてないほど利用している。
- そのほかの良い知らせ。病院や診療所で、患者が自分のデジタルデータをアクセスできるようになった。
- 医療に役立つデータ量は3.5年ごとに倍増している(1950年には50年で2倍だった)
- 利用可能な健康データが増加したことで臨床試験が加速され、科学者との共同研究も促進されることが期待される。
考察の多くは驚くものではない。ウェアラブルは遍在し、デジタル化によって従来のシステムを破壊するビジネスが生まれており、そのためにベンチャーキャピタルは健康スタートアップに多額の資金をつぎ込んできた。Rock Healthによると、2016年のこの分野への投資総額は 42億ドルに上り、ベンチャーキャピタルはバイオ分野の専門家を「大慌てで」雇っているらしい。
もちろん難点もある。医療は非常に規制の強い分野であり、アプリのようにとりあえず出して後から修正するというわけにはいかない。Theranosが悲しくも学んだように、製品は初めから正しくなければならない。しかし今年ミーカーが医療分野を掘り下げたことの意義は実に大きい。将来の健康で安心な暮らしを作るうえでシリコンバレーが持つ力をしめすものだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )