メアリー・ミーカーが恒例のインターネット・レポートを発表―2016年版のハイライトとスライド完全版

2016-06-02-trends-title16

テクノロジーの世界で何が起きているかを学ぶいちばん手っ取り早い方法はこのレポートを読むことだ。 KPCBのパートナー、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)が今や伝説的となったインターネット・トレンドの年次レポートを発表した。

これにはインターネットの進化の現状を考える際に不可欠の統計が多数収集されている。ベンチャーキャピタルの動向、スマートフォン普及率、巨大企業の現状、優秀なターとアップ、その他、メアリー・ミーカーのレポートにはすべてが含まれている。

この記事の末尾に 2016版レポートのスライド全体をエンベッドしておいた。

ハイライトをいくつか拾ってみると―

  • 世界のインターネット普及率は対前年比9%と頭打ち。 世界人口の42%にあたる30億人が利用している。
  • スマートフォン普及率の伸びも減速。Androidのシェアは増大するもデバイス単価は下がる
  • ビデオ視聴は急成長、SnapchatとFacebook Liveは有望。 ビデオ広告の有効性には疑問符。
  • Facebook、WeChatなどッセージ・サービスは急成長。単純なテキスト・チャットから新たな「ホーム画面」に成長し、自己表現の場となる。コマースも有望。
  • アメリカのデジタル広告はさらに成長。GoogleとFacebookで市場の76%を支配。ただしオーディエンスの新メディアへのシフトと比較すると広告主はレガシー・メディアに不相応の支出を続けている。
  • ミーカーの予測によれば音声インターフェイスには高い将来性がある。速く、使いやすく、個人別に特化され、ハンズフリー、しかも安い。Android版Google検索の20%はすでに音声。Amazon Echoの販売も増加。ただしiPhoneは減速。
  • アメリカの自動車産業は1959年以來縮小を続けてきたが、TeslaとGoogleのおかげで再活性化中。Uber/UberPoolなどの共有経済がメインストリームになるにつれ、自動車所有率は減少。
  • 中国のインタネットのトレンドはアメリカより有望。世界の大国のインターネットは引き続き成長中。
  • さまざまなインプットデバイスの普及によりデータが次世代のプラットフォームになってきた。これにより非テクノロジー分野の巨大企業がテクノロジー企業を買収し、デジタルにシフトすることによって成長を活性化しようとする動きが目立つ。

詳細はこちら。 Here’s our breakdown of the most important insights from the 2015 Internet Trends report

〔メアリー・ミーカーは元モルガン・スタンレーの上級アナリストで、インターネットの動向をまとめた詳細なレポートが高い評価を得るようになった。2010年からはベンチャーキャピタルの名門KPCBのパートナー。TechCrunchでも毎年紹介している。2015年版2014年版(ハイライト付)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。