中国を征服したら、次はインドだ。世界で人口が二番目に多いこの国が、次の寄港地であることは当然だから、消費者向けアプリの世界はまさしくインドブームになりつつある。
スマートフォン本体では中国のXiaomiとOppoがこのところインド市場を支配し、そしてそのタッチスクリーンのガラスの背後のコンテンツでも、中国勢がますます増えている。FactorDaily誌によると、インドのAndroidアプリの上位100のうち44が中国製で、それは昨年の18からの急上昇だ。インドの5億人と言われるインターネットユーザーのほとんどがAndroidのユーザーだから、メディアの記事がもっぱらAndroidにフォーカスするのも当然だ。
上位の中国製アプリとそのベンダーには、ByteDanceのような大物もいる。ここは評価額が世界最高のスタートアップで、大人気のTikTokや、インド語のニュースアプリHeloを提供している。そのほか、AlibabaのUCbrowserや、知名度はやや低いTencent傘下のNewsDog、目立たないけど稼いでいるストリーミングアプリBigoなどが顔を揃えている。
Sensor Towerのデータでは、Androidアプリのトップテンのうちの5つが中国製で、それは2017年末にはわずか2つだった。
近年のインドのテクノロジーシーンをウォッチしてきた者にとって、このようなアプリストアの中国ブームは意外ではないが、変化のスピードは予想外だ。
中国の二大企業AlibabaとTencentは、インドの有望なスタートアップへの投資を増やし、他の中国企業にとってもそれ(地元投資)が中国進出の標準形になりつつある。
Alibabaは2015年に、数億ドルを投資してSnapdealとPaytmを買収し、その後は買収のペースをさらに上げている。2017年にTencentは、Gaana(音楽ストリーミング)とSwiggy(フードデリバリー)に大型投資をし、その前年にはByju’s(教育)とOla(ライドシェア)にも投資した。またAli–、Ten–の両社は昨年、インド国内用のクラウドコンピューティングサービスを立ち上げた。
またXiaomiも、スマートフォンを売るだけでなく地元企業を支援し、またその顧客のためのローカルサービスを開発している。
このような、地元に根ざす主義のアプローチが、インドで成功するアプリメーカーに共通している。かつてTencentが保有する中国のメッセージングアプリWeChatは硬直的なやり方で失敗したが、対してByteDanceは、地元にチームを育てるだけでなく、インドだけ用の完全にローカルなアプリを作ることもある。今後の何億というインドの新しいインターネットユーザーは、いよいよますます田舎の人たちで、言語は各地固有の方言でばらばらだ、…だからローカルなコンテンツと音声対応の技術が成功の鍵になる。そういうローカル対応はスマートフォンメーカーが当然のように前からやってきたことだが、中国のアプリデベロッパーも、インド市場で一発屋で終わらないためには、その点を十分に意識する必要がある。
FactorDailyの記事はここで読める。