今週のまとめ―iPhone 6はカメラがすごい、Amazonは新Kindle発表、IBMのWatson、いよいよ商用化

新iPhoneはカメラがすごい

先週発表されたiPhone 6/6 Plusは24時間で400万台予約受付と大人気だ。インターネットは新しいiPhoneのファーストインプレッションで花盛りだが、TechCrunch記事で反響があったのはEtherington記者のiPhone 6のカメラはやはりすごい―とうとうコンデジを捨てる決心がついたという記事だった。カメラ・フリークを自認し、自ら記事のフォトグラファーも勤めるEtherington記者は私生活でもコンデジを離さない。しかしiPhone 6をじっくり使った結論は、「これは普段使いのメインカメラになる」だった。

しかしiPhone 6/6 Plusを実際に使ってみて、低光量での写真が十分以上に使いものになることがわかった。もちろんデスクトップ・パソコンの大画面で表示すればノイズが目立つし、周辺の解像度も甘い。しかしiPhone自体のディスプレイで見た場合はすばらしくきれいだし、Facebook、 Twitter、Instagramに投稿した場合も十分な画質だ。

特に低光量で十分が画質が得られる点が決めてになったようだ。たしかにこの作例を見ても納得できる。



暗いシーンではさすがに粒子がやや荒れるが、光が十分回っていれば、犬の毛並みもはっきり写るし、花の背景もきれいにボケている。

新しいiPhoneの解像度と画質は、普通の人間の98%のユースケースで十分以上のものがある―いや、私のようなカメラ・フリークにとってさえ十分だ。コンパクト・デジタルカメラにまだ居場所があるという幻想は最終的に消えていこうとしている。

というのがEtherington記者の宣告だ。


コンパクト・デジタルカメラ、いわゆるコンデジはここ数年、スマートフォンのカメラの進化に正確に反比例して売上を落としてきた。CIPA(カメラ映像機器工業会)によると、2014年のデジタルカメラの販売台数は5000万台という予測で、2010年の1億2000万台から60%の急減だ。

この減少の大部分はコンデジによるものだ。キヤノン、ニコン、ソニーのトップ3社の場合は半減程度だが、下位メーカー中には90%減という壊滅的な例もある。iPhone 6/6 Plusのカメラがこれだけ進歩すればAndroid機も当然対抗してカメラに力を入れてくる。Panasonicは高機能コンデジにスマートフォン機能をもたせたカメラフォンMC-CM1を発表した。その意欲は買えるが、ニッチ製品という印象は免れない。来年はコンデジ市場の消滅がますます加速することは間違いない。日本の下位カメラメーカーから脱落者が出ることになるかもしれない。

iOS 8―キーボードが大人気、日本ではiOS版ATOKが登場

iOS 8のアップデート内容のまとめはiOS 8レビュー:洗練されてユーザー体験は大きく進化―制限緩和はデベロッパーのチャンスを参照。メッセージ、写真、QuickType、サードパーティー・キーボード、ヘルスケア、ファミリー共有、iCloud Drive、連携、通知と拡張、音声認識などカテゴリーごとに要点がまとめてある。アメリカではiOS 8がリリースされてからのApple App Storeの上位はキーボードアプリが占拠しているという

Swypeはキーボードに指を滑らせることで入力され、予測変換によって高い確率で正しい候補が表示される。Swiftkeyも予測変換の精度が売りだ。いずれもAndroidで人気の高いアプリだった。もちろんこれらはいずれも英語入力用だ。日本ではジャストシステムがATOKのiOS 8版を開発中だと告知しているが、詳しいことは明らかになっていないアップデート:ATOK for iOSはこちらから購入できる。料金は1500円。

Amazon、プレミアムeブックリーダー、Kindle Voyageを発表

Appleが新iPhoneを発表した直後にAmazonも新しいデバイスをリリースした。出荷は10月中の予定で、クリスマス商戦に十分間に合う。新製品はe-inkタブレットの新しいKindleとKindle Voyage、タブレットのFire HD 6、HD 7、8.9インチディスプレイとKitKatベースのFire OS 4.0を搭載したFire HDX 8.9、それに子供向けにペアレンタル・コントロールや丈夫なケースを備えたFire for Kidsだ。日本のAmazonサイトではFire for Kids以外の5モデルについて予約受け付け中

クイズ王を破ったIBMの人工知能、Watsonで誰でもビッグデータ解析ができる

アメリカの人気クイズ番組『ジェパディー』で人間のチャンピオン2人を打ち破った人工知能としてあまりにも有名なWatson人工知能の商用利用がいよいよ始まった。 IBM、Watson Analyticsを発表―Watson人工知能が万人にビッグデータ解析能力を与えるという記事によると、Watson Analyticsという新しいプロダクトは一般のビジネス・ユーザーに高度なビッグデータ解析能力を与えるという。

ユーザーは既存のビッグデータ、たとえばSalesforce.comのCRMデータなどをそのままインポートして利用できる。このサービスにはポピュラーなビジネス・ツールによって生成されるデータをインポートするためのコネクター・ツールが用意されており、データをセットすれば、ユーザーは思いつくままに自然言語で次々に質問をすることができる。またサービスにバンドルされているストーリー・テンプレートを利用して標準的な統計分析を行うこともできるという。IBMではこれまでデータサイエンティストとビッグデータ処理に通じたエンジニアのチームがなければ不可能だった高度、大規模な処理が誰でもできるようになるとしている。しかもベーシック版は料金無料というフリーミアム・モデルだ。

「このミステリー作家とその夫はシリアの古代都市ウルケシュの発掘を試みました」という質問に即座に「アガサ・クリスティー」と答える(ビデオの0:41あたり)ことができるWatsonがさまざまな知的専門分野に進出してくることを考えると、いささか不気味なものがある。

滑川海彦@Facebook Google+


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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。