Sequoiaなどが出資するWhisperは、匿名で「ささやき」(whisper)を共有するソーシャルネットワーク(secret sharing application)だ。このWhisperが新版のアプリケーションをリリースした。いろいろなトピックス(タグ)を検索してブラウズできるようにしたものだ。また、「ささやき」を簡単に作成できるようにする、新しい仕組みも導入している。
ちなみにWhisperは、写真とテキストを一緒にして、個人的な「ささやき」を共有するためのツールだ。ウェブサイトではPostSecretというものがずいぶん前から存在するが、そのモバイルアプリケーション版といったイメージだ。匿名で「ささやき」を公開できるので、他の人にどう思われるかとか、あるいは個人的な評判に影響を与えてしまうのではないかというようなことは心配せずに利用することができる。
サービスのスタートは今年初めの頃で、そこから急速な成長を遂げている。月間ページビューも、5月時点の15億から伸びて、現在では30億に達している。利用者は、他の人の「ささやき」を閲覧するのに30分以上を費やしている。
最新版では「ささやき」を投稿する際には、システム側で自動的に関連トピックスを検知して、投稿にタグ付けを行ってくれるようになっている。さらに投稿に付加する写真までも自動的に探しだしてきてくれるのだ。もちろん提示された写真が気に入らなければ、他の写真を探したり、あるいは自前のライブラリから写真をアップロードすることもできる。
こうした機能強化により、一層多くの「ささやき」が投稿されるようにもなることだろう。但し、同じ範疇に入る他のアプリケーション同様、Whisperの利用者もコンテンツを投稿するよりも、むしろ他の人の作成した「ささやき」を愉しむ方に軸足をおいている。自分で「ささやき」を投稿することよりも、他の人のひそかな投稿を見ることの方に面白さを感じているわけだ。
これまで、そうした人にとってのオプションは3つしかなかった。新しい「ささやき」から見ていくか、最もポピュラーなものを見ていくか、あるいは近くにいる人の投稿を閲覧するかだ。しかし今回のアップデートにより、自分の興味に基いて見ていくということができるようになったわけだ。
「これまでは膨大なコンテンツを充分に愉しむことができない状態になってしまっていました。興味の持てないものも見ていかざるを得ないという仕組みになっていたのです」と、CEOのMichael Heywardが電話インタビューでこたえてくれた。「利用する人に応じた、それぞれに適したコンテンツを提供する方法を構築することが急務だったのです」。
今回のアップデートで、Whispers内をトピックスによって検索していくことが出来るようになった。閲覧者の興味に応じて、自分の求める情報を追い求めていくことが可能となったのだ。単純なことのようにも思えるが、実のところトピックス毎にまとめて読めるようにするためには、バックエンド部分に相当な変更を加えることとなったようだ。
トピックスの種類としては100万種類もある。どのトピックスに属するのかは、見ている「ささやき」の下に記されている(訳注:いわゆるタグの形式で付加されます)。すなわち、検索した場合はもちろん、偶然であった面白そうなトピックについてでも、該当するトピックスを指定することで同じようなテーマの「ささやき」を追いかけることができるわけだ。
「これまでとは異なる魅力を付け加えることができたと思います」とHeywardは言う。「YouTubeでも、特定のストリームないし人気ビデオしか表示できないようなものだったら今ほどの人気を獲得することはなかったでしょう。私たちもYouTubeのように柔軟なコンテンツ選択メカニズムを導入したわけです」とのこと。
トピックス検索の機能が加えられて、かつすべての「ささやき」にトピックスが関連付けられたことにより、登録されている「ささやき」を外部から利用したくなるケースも考えられるようになた。Heywardも、外部から利用できるAPIを用意するのならば、今回のトピックス機能に関連したものになるだろうと話している。
Whisperはロサンゼルスに拠点をおき、現在の従業員数は30名だ。これまでにSequoia Capital、Lightspeed Venture Partners、Trinity Ventures、ShoedazzleのファウンダーであるBrian LeeおよびFlixsterのJoe Greensteinたちから、合計で2400万ドルの資金を調達している。
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(翻訳:Maeda, H)