Flurryが今日(米国時間12/28)の午後発表したレポートによると、今年のホリデイシーズンは例年になく、“ファブレット”を購入する消費者が多かった。この大型画面のデバイスは”phone”(電話機、携帯電話)と”tablet”(タブレット)を混ぜあわせた新語、“phablet”(ファブレット)という名前で呼ばれている。今年のクリスマス前の週に新しく起動されたデバイスの27%がそのファブレットで、シェアは昨年から倍増し、2013年のわずか4%からは大飛躍だ。中でもAppleの現在のファブレットiPhone 6s Plusが、この飛躍に大きく貢献している。同じ週の、新たに起動されたすべてのAppleデバイスの12%が、この機種だった。
この年末レポートはFlurryの分析部門が作成し、同社がさまざまなデバイスに関して調べた78万のアプリに基づいている。ホリデイシーズンには新しい携帯やタブレットを入手する消費者が多いから、このスナップショット的なデータから、機種タイプ別の人気を推し量ることができる。また各メーカーの、市場シェアの盛衰も分かる〔下図については後述〕。
今年Flurryが明らかにしたもっと大きなトレンドは、“小型スマホ/携帯の死”だ。2015年の消費者は初めて、画面の小さなデバイスを見捨てて、ファブレットを選んでいるようだ。Blackberryに代表されるような3.5インチ以下という画面の機種は、Flurryによるとほぼ絶滅した。来年はチャートに登場することもないだろう、と同社は予想している。
〔下図…空色=大型タブレット、青色=小型タブレット、グリーン=ファブレット、、紫色=中型機、オレンジ色=小型機〕
2014年に発売されたAppleのファブレットは、下図のように、中型機と小型タブレット(iPad miniなど)からもシェアを奪っているが、スライドの第二図でお分かりのように、Android国ではファブレットのシェアがさらに大きい。
今年初めて、ファブレットはすべてのAndroid機の中で半分以上を占めた。それはアジアを中心とする市場でSamsung Galaxy Noteなどの人気が高いためだ。Samsung製品のシェアは2014年の17.7%から2015年は19.8%に上がった。それは主に、新製品Galaxy Grand Prime, Core Prime, S6などのおかげだ。
Appleは依然としてトップだが、そのシェア49.1%は昨年の51.3%に比べてやや下がった。Flurryによると、新製品iPad Proはシェア拡大に貢献しなかった、という。すなわち画面サイズ8.5インチ以上の大型タブレットは、1%にも達しなかった。
MicrosoftのNokiaは、今年のシェアが昨年の5.8%から2%へと落ち込んだ。また、Sonyも、もはや上位5社に含まれていない。代わってXiaomiが初めてチャート入りし、クリスマスの週のシェア1.5%を稼いだ。Flurryによると、中国には大きなクリスマス商機というものがないにもかかわらず、Xiaomiが伸びたことは注目に値する、という。
さて、新しいデバイスを起動したら、次にやることはアプリケーションのインストールだ。したがって12月にはアプリのダウンロードも急増する。そのことに付随する別のトレンドとして、App StoreのトップであるフィットネスアプリFitbitの、ホリデイシーズンにおける大売れなどが挙げられる。下図はアプリのインストール数の、12月21日までとクリスマスとの比較だ(前者を1.0とする指数比較)。
ご覧のように、12月のふつうの日と比べると、クリスマスはアプリのインストール数がその2.2倍に達している。