抵抗感や衝撃をウェアラブルで再現した一人称ボクシングゲームのフィットネスデバイス「Quell」

Quellは自分をPelotonの廉価版と位置づけている。たしかに料金はPelotonの1/10で、ロンドンを拠点とするスタートアップならそうするかもしれない。新型コロナウイルス(COVID-19)のロックダウンでフィットネスバイクメーカーの企業価値が急上昇し、最近のLululemonによるMirror買収からもわかるように、フィットネスのスタートアップは大人気だ。

しかしQuellとのもっと適切な比較になるのは、任天堂のリングフィットアドベンチャーだろう。このNintendo Switch用の周辺機器は、価格、規模、体験においてQuellに近い。このスタートアップは、リングフィットアドベンチャーと同じくフィットネスにゲームベースのアプローチを取っている。

Quellは一人称のボクシングスタイルのゲームで、画面上のモンスターたちと戦う。発売時にはパソコン版とMac版とiOS版が提供されるが、Androidにも近く対応する。Quellが独特なのは、抵抗感をウェアラブルデバイスで再現していることだ。基本的には調整可能な抵抗感を生むバンドで衝撃をシミュレートし、ジャイロスコープや加速度センサーといったオンボードセンサーでユーザーの動きを追跡する。

画像クレジット:Quell

製品はまだかなり初期のもので、そもそもやっと米国時間8月18日に、Kickstarterでプロジェクトが始まる。目標額は3万ドル(約317万円)ほどで、182ドル(約1万9000円)以下の出資額で入手できる。最終価格は250ドル(約2万6000円)ほどだ。

このシステムに関する多くのことと同じく、月額10ドル(約1060円)のサブスクリプションモデルも検討中だ。同社はTechCrunchに対して「ストーリーモードやクイックファイトモードもある」と語っている。「サブスクリプション料金によって、ローカルやオンラインのマルチプレイヤーなどの可能性が拡大し、将来的には拡張コンテンツも提供される。キャラクターのビジュアルなどのアップデートもあるでしょう」とのことだ。

画像クレジット:Quell

今後はシステムに飽きがこないように、ゲーム体験を拡張していくだろう。またQuellは、サードパーティの開発者にもオープンにして、独自のコンテンツを作成できるようにする可能性も探っている。

ただし現在のQuellは非常に小さなチームで、現在4人が創業者のロンドンにあるアパートの1つで仕事をしている状況なので多くのことが仮定の話だ。実際にチームが本格的に活動を開始したのは2020年2月のことで、フルタイムで活動を始めたのは2カ月前だ。地味な始まりにも関わらず、2020年7月にウェブサイトを立ち上げて以来、同社はすでにY Combinatorの支援を受けており、これまでに1万ドル(約106万円)のプレオーダーを獲得している。新型コロナウイルス(COVID-19)により生じたホームフィットネスへの関心から、いろんな物が出てくるのは驚くべきものだ。

Quellは、2021年中に支援者たちに製品を発送できると予想している。その頃には人々はジムに戻っているかもしれないが、感染拡大の現状を見る限りそれもあやしい。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

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画像クレジット:Quell

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

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