新型コロナ禍でのテクノロジー各社四半期決算まとめ

Equityにようこそ。これはTechCrunchの記者が株式市場やスタートアップの資金調達をテーマに話合うポッドキャストだ。今回は公開企業の四半期決算のトレンドを扱った。スタートアップに対するベンチャーキャピタルの投資についてはこちらを見ていただきたい。

残念ながら新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が続き、各社とも影響を受けている。全体として市況は大きく下げ、1%でもアップしていれば十分な成長とみなされる。ともあれこのポッドキャストを続けることができたのは幸いだ。参加してくれたDanny Crighton(ダニー・クライトン)、Natasha Macaranhas(ナターシャ・マカラニャス)、それにポッドキャストのプロデューサーのChris Gates(クリス・ゲイツ)に感謝する。

  • SaaSとエンタープライズは好調:TechCrunchではMicrosoft(マイクロソフト)の決算についてこちらの記事で報じたが、収入が15%アップという四半期決算の発表を受けて株価は大きく上げた。その他ZendeskやServiceNowについても検討した。トレンドとしては大企業向けSaaSの第1四半期は好調だった。しかし各社とも将来動向については慎重だ。影響の出方はばらつきが大きいだろう。
  • サブスクリプションも伸びたSpotifyの第1四半期も好調で、月間アクティブユーザーはなんと31%も伸びている。 Netflixhは第1四半期でアナリストの予測を大幅に上回る加入者数の伸びを示した。Danny CrightonによればSpotifyの純利益の報告はかなり奇妙なものだった。しかしNetflixは「(グレイウハウンドの競争の囮となる)檻から飛び出したウサギなみの猛スピードで規模を拡大した」という。 皆がどれほどポッドキャストを聞くようになるかかは別として、新型コロナウイルスの脅威が続く間は家にこもっていなければならない以上、サブスクリプションサービスが伸びることは間違いない。
  • 広告はまだら模様:広告ビジネスが大打撃を受けたことは周知だが、テクノロジー系の広告ビジネスはそこそこ持ちこたえている。Facebook(フェイスブック)はいつものとおりアナリストの予測を蹴散らし、株価を10%以上アップさせた。四半期決算で投資家に「4月は3月よりさらに好成績」だと言っている。ただしQ2では新型コロナウイルスのパンデミックの影響が出るかもしれない。Snapも急成長を続けており、収入は5割アップしたが、株価はわずかにダウンした。株価がアップしなかった原因はなかなか黒字化が達成できないためだろう。 売上の伸びに比べて、コスト構造にはかなり問題がある。大手SNSの中ではTwitter(ツイッター)はバスに乗り遅れて苦闘中だ。月間アクティブユーザーは1億6600万アカウントと新記録を達成したものの財務では再び赤字に転落した。同社は3月に続いて4月も新型コロナウイルスの影響を受けるとしている。Alphabet(アルファベット)はGoogle(グーグル)の好調により、パンデミックをものともせず収入をアップさせた。1株あたり利益がアナリスト予想に届かなったことを嫌ってわずかに売られたが、株価はその後戻している。

なにかと話題を提供しているTeslaだが、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は「株価など知ったことか」と言っていたこともあり、今回は取り上げなかった。Apple(アップル)についてもちょっと触れただで中身のある話はしていない。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

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