iPhone 6が出てコンデジを捨てた人がいるように、旅行写真もスマホで事足りている人は多そうだ(僕もその1人)。こうした需要を背景に、実名制ベースの旅行記サイト「Compathy(コンパシー)」が26日にiOSアプリを公開した。
アプリは、iPhoneで撮った写真の日時や位置情報を利用し、旅のルートや時間軸を1つの「ログブック」(旅行記)に自動でまとめてくれる。各ログブックは地図上に表示され、これまでの旅を振り返ることができる。
口コミを眺めるだけという人は、アジアやオセアニア、ヨーロッパといった地域や国から探せる。「女子旅」「一人旅」「貧乏旅行」「ロケ地巡り」といったカテゴリーもあり、自分のイメージにあった旅行記が探せそう。
投稿された写真には撮影地が紐付いているので、気に入った口コミをブックマークすれば、「行ってみたいリスト」として、リスト・地図形式でまとめられる。自分だけのガイドブックを作れる感じだ。
実際に旅行記を作ってみた
実際に旅行記を作ってみると、投稿した写真はFoursquareの情報をもとに、自動的にスポット情報が入力されるのが便利。
例えば、朝ドラ「あまちゃん」の舞台で撮影した写真をアップロードすると、「アキが飛び込んだ灯台」とか「ヒロシの監視小屋」なんてスポットが入力されたりする。
その反面、写真は直近に撮影したものからスクロールして探すので、昔撮った写真を投稿するには、何度もスクロールしないと辿りつけないのが少し不便。なので、旅行中もしくは旅行直後に旅行記を作成するのがよさそうだ。
「スマホ旅行記」でフォートラベルに勝負挑む
旅行記サイトで最大のライバルになるのは、カカクコム傘下の「フォートラベル」だろう。フォートラベルの2014年12月時点の月間利用者数687万人、月間ページビュー数は4388万PV。単体の業績は公表していないが、カカクコムのホテル予約サイト「yoyaQ.com」などを含む旅行・不動産事業は2014年第3四半期の売上高は2億3300万円に上る。
Compathyを運営するワンダーラストの堀江健太郎社長に勝算を聞くと、「フォートラベルのアプリで旅行記を作るには、撮影地や旅行期間を自分で登録しなければいけないのが面倒だったりする」とスマホ対応で差別化を図るようだ。
「スマホカメラの性能は日進月歩で向上しているので、旅行写真をスマホで撮影する人は確実に増える。一眼カメラ派も、Wi-Fi対応SDカードの登場で、スマホやクラウドストレージに同期するスタイルが一般的になり、撮影デバイスに関係なく、旅行写真が全てスマホにある状態になる。」
Compathyには現在、累計1万5000件以上のログブックが投稿されている。これらはすべて、PC経由で投稿されたものだが、気軽にスマホで旅行記が作れるようになったことで、さらに口コミが充実していきそうだ。
今後は、行ってみたいリストに登録したスポットをもとに、国や都市、旅の目的、移動距離といった条件を踏まえて、自動的に旅行プランを作成できる機能を実装するという。