本物のチェス盤の上で本物の駒が動いて対戦してくれる一人遊びチェスSquare Off

CESの連中は手強い…週末近くなるととくに。こっちは精神的にも肉体的にも、ばてばてだ。消費者電子製品のすべてをすでに見た気分になっている。するとそのとき、何かがやってきて人のどぎもを抜く。Square Offも、まさにそんな製品だった。本誌の小集会で人びとを感動させ、そして本誌主催ハードウェアピッチオフで優勝をかっさらった。

同社の初めての製品は、ありふれたふつうのチェス盤のように見える。そしてそのことが魅力の要素だ。ボタンを押すと起動し、Stockfishが作ったAIソフトが動き出す。そしてプレーヤーの対戦者の駒を動かす。駒を動かす手は、盤の下に隠れているロットアームだ。駒と盤は電磁石で吸着される。

あまりにも使い古された言葉で恐縮だが、それはまるで魔法のようだ。幽霊とチェスを対戦しているような感じになる。いや、誰もが、ある日ある時、亡きおじいちゃんの幽霊とチェスをしたい、と思ったことがあるだろう。その幽霊棋士には20の難度レベルがあり、そいつとリモートでも対戦できる、ここで

Square Offを作ったInfiVentionのCEO Bhavya Gohilによると、学生時代に視覚障害者のためのチェス盤を作るプロジェクトを立ち上げ、それがのちにSquare Offになった。ローマーで行われたメイカーの祭典Maker Faire Romeで彼らは、その製品が障害のないふつうの人たちでも楽しめることを知った。

最初はKickstarter、その後Indiegogoでもクラウドファンディングを試み、60万ドルあまりを集めた。中国で1年間、製造業の企業経営を学び、その後昨年3月に小売用の製品を発売した。その翌月にはWebサイトを立ち上げた。10月にはAmazonから売るようになりホリデーシーズンには売上が従来の3倍になった。といっても、これまでの総売上は9000台だが、無名のスタートアップで商品がチェス盤で定価369ドル、では、これでも上出来だろう。売上の80%はアメリカで、そのほかはヨーロッパだ。

11月に同社は、110万ドルのシード資金を獲得した。今は、2020年発売予定のバージョン2.0を計画している。ニューバージョンはもっと多芸になり、チェッカーやバックギャモンなど、そのほかの盤上ゲームもできるようになる。いずれAPIを公開するので、デベロッパーたちが自分の発想でいろんな盤上ゲームを実装できるようになる。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

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