第2四半期の成長頭打ちにTwitter株12%ダウン

今日(米国時間7/26)、Twitterは 第2四半期の決算を発表したが、きわめて不満足な内容だった。その結果、株価は一気に12%もダウンした―ツイートするのにかっこうの話題だったといえなくもない。

下に株価のチャートを掲げる。残念ながらこれが事態を要領よく表していると思う

今日の急落でTwitterは最近得た値上がりをほぼ帳消しにしてしまった。Twitterの前期の決算は同社にしては珍しくポジティブなもので、MAU〔月間アクティブ・ユーザー〕が予測を超えて伸びていた。それ以外の数字もアナリストの期待以上だった。しかし今期の決算では、ユーザー数は頭打ち、広告売上も不調というTwitterの病がぶり返し、市場は同社の将来に一段と強い疑念を抱くこととなった。

Twitterの株価は多かれ少なかれMAUの伸びに比例している。Twitterは最近メインのサービス以外に各種のプラットフォームを提供し、特にライブビデオに力を入れているため同社のサービスを実際に利用しているオーディエンスの数をMAUから正確に測ることは難しい。そのためTwitterではMAUの数字から距離を置こうと務めていた。広告をメインとするビジネスはどうしてもFacebookなど他の同種サービスとMAUの数字を比較されてしまうからだ。

株価急落は同社に長期計画の根本的な見直しを迫っているが、短期的な悪影響も大きい。Twitterは報酬体系がストックオプションに依存することを改めようとしているものの、株価を維持できなければストックオプションの価値は失われる。これは社員の士気を下げ、人材の獲得にも悪影響を及ぼす。そこでTwitterはハラスメントの防止やツイートの選択のアルゴリズムの改善などユーザー体験を改良するプロダクトを次々に公開してきた。

市場のMAU万能主義に対してTwitterはDAU〔1日当たりアクティブユーザー〕が重要であるというスタンスを取った。これは、Snapchatを運営するSnapもFacebookに対抗するために採用した戦略だ。目的は株式市場の目をDAUに向けさせ、これこそがサービスの価値を生む源泉だと納得させることにある。DAUの大きさはエンゲージメントの母数であり、現実に広告を見るユーザーの数だ。Twitterのユーザーは毎日何回もTwitterを開くので広告の価値はさらに高くなる。より大きなエンゲージメントはより高価な広告料金を意味する。これがTwitterが出直しに際して取った戦略だったが、うまくいくためにはもちろんDAUが伸びていなければならない。

ところがTwitterは未だにDAUの実数を公表しない。その代わりに、いかにもテクノロジー企業らしいが、成長率やら縦軸にラベルがないグラフやらを見せてきた。透明性は今後高まるのかもしれない。しかし現在の秘密主義はTwitterには広告メディアとして巨大な可能性があるという同社の主張を裏付ける助けにはならない。

画像: Bryce Durbin

〔日本版〕Twitterは2014年1月に69ドルの高値をつけたが、2016年5月に14ドル台まで下落。今年に入ってやや持ち直し、先月は20ドルまで回復していた。現在の株価は16.84ドル。

TechCrunch記事に掲載されたTwitter作成のDAU成長率(棒グラフにY軸がない)。

同じくMAUの四半期推移。対前年比5%の成長。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。