パンデミックによる需要増を受け、米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は前年同期比73%増となった、とCanalysは発表した。計3400万ユニットが販売された。Appleの出荷台数は36%増と好調だったが、HPが1100万ユニットを販売して年間成長率は122.6%とAppleを上回った。
Canalysが指摘したように、ホリデーシーズン後の第1四半期はAppleのハードウェアは苦戦する傾向があるが、これはHPにとっては追い風だ。出荷台数を大きく伸ばしたその他の企業には、116%増のSamsung、92.8%増のLenovoがある。Dellは29.2%増で、他社に比べると控えめな成長だった。
PCは飛ぶように売れ、全体的にはすばらしい四半期だった。Canalys ResearchのアナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、これは部分的には人々が2020年に在宅ワークやオンライン教育に移行し、新しいPCを必要としたことによる需要増が貢献したと指摘した。しかし成長が歴史的に比類ないものだったにもかかわらず、2021年第1四半期は業界のこれまでで最も好調だった第1四半期の1つという位置づけだ。メーカーは供給問題が世界の他のエリアで解決される前に米国の不足していた在庫の補充を優先した、とリンチ氏は発表文で述べた。
おそらく驚くことではないが、PC買い換えを検討し、特に教育目的だった人がPCマーケットのローエンドに目を向けたため、低価格のChromebookが最も人気だった。この傾向は高価格のApple製品にマイナスの影響を及ぼしたはずで、 Appleは出荷台数トップの座を失った。
そしてSamsungや他のChromebookメーカーが躍進した。2020年Chromebookの売上高は548%増加し、なかでもSamsungが1963%増と驚異的な数字で成長をリードした。ASUS、HP、LenovoもChromebookの売上を900%超増やした。
そうした数字にはデスクトップ、ノートブック、タブレット、ワークステーションが含まれるが、中でもノートブックが前年比131%と目覚ましく増加するなど、その大半はノートブックとタブレットだった。タブレットの売上はノートブックと同様の増加率ではなかったが、販売台数は51%増の1100万ユニットに達した。
教育部門の需要が継続し、マーケットが今後数四半期で急激に落ち込むことはないとCanalysは予想する。パーツ、特にチップの不足は引き続き業界に影を落としているが、これは今後の四半期の需要につながるだけだと同社はとらえている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Canalys、ノートパソコン、Chromebook、アメリカ
画像クレジット:Boston Globe / Getty Images
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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi)