米国のAmazon Fire TVに無料コンテンツのタブが登場

ストリーミングプラットフォームのRokuには、映画やテレビ番組を無料で楽しめることで人気のThe Roku Channelがある。AmazonのFire TVプラットフォームにも、これに対抗するサービスが登場した。米国時間5月13日、AmazonはFire TVの「無料」タブを米国で公開した。利用者はここから無料の映画、テレビ番組、ニュースなどのコンテンツを簡単に見つけられる。このタブには、AmazonのIMDb TVやTwitchのほか、TUBI、Pluto TV、Crackle、The CWといった他社のアプリも表示される。

このタブでは、Red Bull、PBS、PBS Kidsなど、無料コンテンツを提供しているほかのアプリも紹介されている。

Fire TVの無料タブの使い勝手は、The Roku Channelとは少し異なる。The Roku Channelは無料でストリーミングできるコンテンツだけに絞られているのに対し、Fire TVの無料タブの一番上には「注目のアプリ」がある。そしてAmazonのアプリであるIMDb TVが先頭に表示されて目立っている。

その後には、コンテンツがテーマごとに整理されて横方向に並ぶ。ここでは新作、トレンド、人気といったカテゴリーで、無料の映画やテレビ番組を利用者に合わせておすすめする。AmazonのFire TV用ニュースアプリの行もある。Amazonによれば、無料タブのコンテンツのほとんどはAmazonのものではなく他社が提供しているものだという。

無料タブにはさらに別のタイプのコンテンツもある。複数のストリーミングサービスから制限が解除されて公開されているコンテンツや、プライムビデオから無料で提供するキッズ&ファミリー向け番組などだ。

Amazonは、IMDb TV、Pluto TV、TUBIなどのアプリを通じてFire TV全体で2万本以上の映画とテレビ番組を無料で視聴できると説明している。ただし無料タブはコンテンツをすべて表示するものではなく、厳選したものだけを表示するという。

無料タブの登場は、AmazonがRokuの無料チャンネルを意識していることの現れだ。Rokuの無料チャンネルはトップクラスの人気チャンネルに成長し、ユーザーにRokuをアピールしている。Rokuは2020年第1四半期の収益報告で、3月末時点で3980万人のアクティブユーザーがいると述べた。一方のAmazonは、1月時点でFire TVのアクティブユーザーは4000万人以上と発表した。つまり両社は、ユーザー数では互角の戦いをしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)