アメリカ運輸省の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)は、今日(米国時間1/19)Teslaの死亡事故に関する最終報告書を発表した。NHTSAは昨年、半自動運転機能を搭載したオートパイロットを利用して走行中のTeslaが起こした死亡事故を調査していた。
報告書はTeslaのオートパイロット・システムには事故の原因となる欠陥がなかったと結論している。また報告書の複数の箇所で安全性の観点からTeslaのオートパイロット・システムのデザインを賞賛している。またTeslaのオートパイロットが全体として同車の事故率を下げていることも認定している。
NHTSAは報告書でTeslaがオートパイロットを広汎に導入して以後、事故率が40%近く下がったと認めた。また今回の事故調査において、Teslaのオートパイロットのデザインにも実装にもなんら欠陥が認められなかったことをことを確認している。Teslaの自動緊急ブレーキ(AEB)も、自動クルーズコントロールも事故原因とは関係がなかったと報告書は述べている。Tesla側ではドライバーが誤った方法でオートパイロットを利用する可能性も事前に認識しており、そのような利用法が及ぼす結果を考慮してデザインされたオートパイロットが市販車に搭載された。報告書全文は記事末にエンベッドしてある。
この報告書の結論は、Teslaとしてアメリカ運輸省の部局に望みうる最良のものだろう。事故調査はこの半年続行されてきたが、Reutersは木曜日にNHTSAはTeslaの責任を否定、リコールはないと報道した。最終報告書を読むとNHTSAは実際Teslaの責任を否定しているが、さらに随所でこのオートパイロットを賞賛している。
報告はTeslaがオートパイロットの限界についてさらに詳細に説明しておくことが望ましかったと指摘している。しかし同時に、Teslaのドライバーならびにオーナーには必要な情報がすべて開示され、利用可能であったとも結論している。
TeslaはNHTSAの事故調査と最終報告に関して以下の公式声明を発表した。
Featured Image: Hadrian/Shutterstock
NHTSA's full report on Tesla's 2016 fatal Autopilot crash by TechCrunch on Scribd
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)