自動運転ユニコーンMomentaがシリーズCに約567億円を追加、中国AD分野では今年最大のラウンドに

MomentaのCEOであるCao Xudong(カオ・シュドン)氏とGM China社長のJulian Blissett(ジュリアン・ブリセット)氏(画像クレジット:Momenta)

9月にGeneral Motors(GM、ゼネラルモーターズ)から3億ドル(約340億円)の投資を受けた中国発の自動運転ソリューションプロバイダーであるMomentaは、中国時間11月7日、シリーズC追加ラウンドで5億ドル(約567億円)を調達したと発表した。

この新たな資金調達により、同スタートアップのシリーズCの総額は10億ドル(約1134億円)を超えた。Momentaは、GMなどの自動車メーカーやBosch(ボッシュ)などのTier1サプライヤーに先進運転支援システム(ADAS)を提供する一方で、真の無人運転、すなわちレベル4走行の研究開発を行うという、同社が言うところの二足のわらじ戦略をとっている。

このスタートアップには、中国の国有企業であるSAIC Motor(上海汽車集団)、GM、トヨタ、メルセデス・ベンツ、Boschなど、ヘビー級の戦略的投資家が集まっている。機関投資家としては、シンガポールの政府系ファンドであるTemasek(テマセク)や、Jack Ma(ジャック・マー)氏のYunfeng Capital(云锋基金)などが名を連ねている。

Momentaは、自動車メーカーとの提携により、自社でロボタクシーを開発するという資金のかかるルートを選択した他社との差別化を図っている。その代わりに同社は、自社のソリューションを搭載した量産車のネットワークからデータを得ることを重要視している。Pony.ai(小馬智行)とWeRide(ウィーライド、文遠知行)は最も近いライバルだが、彼らも多額の資金を調達している。

GMとの提携の場合、Momentaのソリューションは、コンシューマーグレードのミリ波レーダーと高精細カメラを組み合わせたもので、米国ではなく中国で販売されるGMの車両に搭載される。Momentaは最近、ドイツのパートナー企業との関係強化のために初の海外オフィスをシュトゥットガルトに開設したが、これはMomentaの技術が自国の市場以外にも広がっていく可能性を示唆している。

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(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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