イギリスの民間航空局(Civil Aviation Authority, CAA)が、警察やそのほかの緊急事態対応省庁に対し、特定の機種のドローンの運用をやめるよう警告した。一部のデバイスが予期せざる動力喪失により、航行中に墜落しているからだ。
CAAの安全性警告は、イギリスでこれまで一部の緊急時サービスに使われていたDJIのMatrice 200シリーズのドローンに適用される。事故が最初に報告されたのはウェストミッドランズの警察局からだが、ほかにもノーフォーク、デボン、およびコーンウォールの警察がDJIのドローンを使っている。BBCによると、デボンとコーンウォールはそれぞれ20機のうち2機が地上に落下した。
CAAによると、“計器では電池寿命がまだ十分残っているにもかかわらず、航行時に動力を完全に失った機体が最近報告されている”、という。負傷者は報告されていないが、“突然の揚力喪失により、遠隔操縦のパイロットはその後の飛行経路の制御が不可能になった”。
今のところアメリカでは類似の報告はないが、バード大学の調査によると、アメリカの61の公共安全機関(警察、消防、救急など)が、同じくDJIの、Mavicドローンを使用している。使われているドローンのほとんどがDJIの機種だが、Matrice isはもっとも多い機種ではない。
メーカーは報告に応えて、Matriceのオペレーターは、問題を修復したファームウェアアップデートをプッシュするよう、促(うなが)している。同社のプロダクトウォーニングは、“DJIのPilotアプリでプロンプトが出たら、そこで顧客に、そのアプリ上またはDJI Assistant 2でインターネットにアクセスし、使用機のファームウェアとすべての電池をアップデートして、安全な飛行を確保するよう、勧めている”、と書いている。
DJIは昨年同じような問題に遭遇し、消費者品質のドローンDJI Sparkが突然動力を失い、空から落下した。
画像クレジット: DJI