韓国LG Energyが約1700億円を投資し米国でのバッテリー生産を拡大

Tesla(テスラ)、Lucid Motors(ルシッドモーターズ)、General Motors(ゼネラルモーターズ)、Proterra(プロテラ)に電気自動車用バッテリーを供給する韓国のLG Energy Solution(LGエナジーソリューション)が、米国時間3月11日、14億ドル(約1697億円)を投じてアリゾナ州クイーンクリークに円筒形バッテリーの工場を建設することを発表した。

このことは、LG Energyが米国での存在感を高めていることを改めて明確にした。1月には、21億ドル(約2546億円)を投じてゼネラルモーターズと共同で、米国3番目のEV用バッテリー工場を建設する計画だと発表した。また2021年には、Stellantis(ステランティス)がLGとバッテリーセルとモジュールを北米で生産する契約を締結している。

今回のLGのアリゾナでの出資は、北米市場において、瞬発力を必要とする電動工具やEV・電動自転車などのモビリティ機械などに対する、円筒型セルや円筒型電池の応用需要が高まっている時期に行われる。需要が高まる理由は、LGの広報担当者によると、この種のバッテリーが比較的小さくエネルギー密度が高いからだという。

11ギガワット時規模の工場建設は、2022年第2四半期に開始され、2024年には量産が開始される予定だ。

LG Energyによると、同工場はEVメーカーに供給される円筒形バッテリーの、北米で初めての製造工場となる。ロイターの報道によると、Tesla、Lucid、ProterraなどのEVメーカーがその潜在的な顧客となる可能性があるという。LGは、契約手続きは進行中だと語ったが、アリゾナ工場がどの企業に供給するのかは明言を避けた。

LG Energyは、米国での生産能力の追加を検討しているという。1月には、LG Energyは新規株式公開により100億ドル(約1兆2145億円)以上を調達した

バッテリー製品をTeslaにも供給している日本のパナソニックは、オクラホマ州かカンザス州に工場建設用地を探していると、2月にNHKが報じている。また、トヨタは米国にバッテリー工場を建設し、2025年の生産開始を目指している。

米国でバッテリーを開発する海外バッテリー企業の流入は、ジョー・バイデン大統領が国家的なバッテリーサプライチェーンの確立のために数十億ドル(数千億円)の資金を確保するインフラ法案の産物なのかもしれない。

LGは、このようなサプライチェーン構築のために米国から提供される資金の受給資格があるかどうかの問い合わせには、締切までには回答しなかった。

関連記事:GMがシボレー・ボルトのリコール損失約1100億円をLG Chemに請求すると表明

画像クレジット:LG Energy Solution

原文へ

(文:Kate Park、翻訳:sako)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。