香りや焼き色も再現する植物由来チキンを米国で展開へ、Next Gen Foodsがシード追加拡張投資22億円調達

シンガポールを拠点とするNext Gen Foodsは、2000万ドル(約22億円)のシードエクステンションを調達し、植物ベースの代替鶏肉を米国で展開すると発表した。投資家には、GGV Capital、農業・食品技術に特化したBits x Bites、食品・飲料会社のYeo Hiap Seng、起業家で「Blitzscaling(ブリッツスケーリング)」の著者であるChris Yeh(クリス・イェ)氏、イングランド代表サッカー選手Dele Alli(デレ・アリ)氏などが含まれている。

2021年2月に発表されたNext Gen Foodsの最初の1000万ドル(約11億円)のシードラウンドを主導したTemasek(テマセク)や、K3 Venturesなども再び出資した。Pitchbookのデータによると、その際の1000万ドル(約11億円)は植物由来のフードテック企業が調達したシード資金としてはすでに最大規模のものだったが、追加投資によりラウンドの合計は3000万ドル(約33億円)となった。今回の資金調達の一部は、米国内での研究開発、販売、サプライチェーン、財務・マーケティングチーム50名の人員補充に充てられる。

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また、Next Genは、リーダーシップチームの変更も発表した。共同創業者のTimo Recker(ティモ・レッカー)氏はCEOから会長に異動し、もう一人の創業者であるAndre Menezes(アンドレ・メネゼス)氏がCEOの座に就く。また、Temasekの元取締役であるRohit Bhattacharya(ロヒト・バタチャリヤー)氏がCFOとして同社に加わる。

Next Genが開発した「TiNDLE(ティンドル)」と呼ばれる代替鶏肉は、レストランとのパートナーシップを通じてアジアで発売され、現在はシンガポール、香港、マカオの70店舗以上で提供されている。今後1年間、Next Genは米国進出の際にも同様のアプローチをとり、各都市のフードサービスと協力してTiNDLEを使ったメニューを開発していく予定だ。最終的には、小売店などの他の流通チャネルにも拡大していく予定だと、メネゼス氏はTechCrunchに語った。

Next Genは鶏肉の食感を再現するために、ヒマワリ油などの植物性油脂と天然香料を独自にブレンドしている。これによりTiNDLE製品は、調理したときの鶏肉の香りや焼き色を再現することができる。

米国では、Next GenはBeyond Meat(ビヨンドミート)のような植物由来の食品会社と競合することになる。Beyond Meatは、今週初めに米国のレストラン約400店で「Chicken Tenders(チキンテンダー)」の販売を開始した。人気チェーン店のPanda Express(パンダエクスプレス)も、Beyond Meatのオレンジチキン(陳皮鶏)を試験的に導入している。

メネゼス氏は、競合状況について聞かれこう答えた。「当社は、この分野が盛り上がっていることをとても嬉しく思っていますし、他の植物由来(食品)の企業を競合とは思っていません。私たちが心配しているのは、不十分な質の製品を消費者に提供している企業の競争だけです。消費者が、植物ベースの食品は現在でも味や体験において妥協しているという誤った印象を持ってしまうかもしれないからです」。

さらに同氏は、TiNDLEは遺伝子組み換えやコレステロールを含まない製品であり、Next Genはアセットライトなビジネスモデルを採用しているため、新たな市場への拡大が容易だと述べた。

レッカー氏はNext Genを立ち上げる前にドイツを拠点とするLikeMeatを設立しており、メネゼス氏は世界最大級の鶏肉輸出会社を経て、シンガポールの食品販売会社Country Foodsのジェネラルマネージャーを務めていた。

GGVのマネージングパートナーであるJenny Lee(ジェニー・リー)氏は次のように述べた。「Next Genのチームは、欧州市場向けに植物ベースの食肉製品を開発しローンチを成功させた経験があり、フードテック業界でも創業者と市場の適合性が最も高いチームの一つです。このチームが製品の品質、ブランドリコール、流通に注力していることは、同社の今後の成長に向けた強力な基盤となります」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Next Gen Foods植物由来肉資金調達シンガポール

画像クレジット:Next Gen Foods(Image has been modified)

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(文:Catherine Shu、翻訳:Aya Nakazato)

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TechCrunch Japan

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