AlphabetグループのWingがドローン宅配に初成功

 Google(グーグル)の親会社のAlphabet(アルファベット)からスピンアウトしたドローンのスタートアップであるWingが初の空からの宅配を実施した。Wingは今年初めにアメリカの連邦航空局からドローンによる商用配送のパイロット・プログラムを実施する承認を得ており、FedExと大手薬局チェーンのWalgreensと協力して準備を進めていた。

届け先はバージニア州のコリバー家で商品は「咳止め風邪パック」だった。これにはアセトアミノフェン製剤のタイレノール、咳止めドロップ、ビタミンC製剤、飲用水ボトルが入っていた(なぜ水まで入れてあるのかよくわからないが)。

WingとWalgreensがドローン配送のパイロットプログラムを実施する地区として選んだのが顧客のコリバー家が所在するクリスチャンバーグだった。Walgreensはドローンで商品の戸口配送を行った最初の米国企業となり、FedExもそのロジスティクスを担当したことで、両社とも宣伝効果も含めて大きな成果を挙げたといっていいだろう。

Wingはロジスティクスの中でもっとも困難なラストワンマイルと呼ばれる顧客の戸口までの配送のドローン化を図ろうとしており、同じくバージニア州でSugar Magnoliaと協力している。これは地元のギフトとステーショナリーの専門店で、顧客が注文するのはギフトカードやチョコレートなど比較的小型軽量の商品が多く、ドローン配送の可能性の検証に適している。

Wing drone delivery 3

米連邦航空局(FAA)がWingに交付した航空事業者適格証明(Air Carrier Certificate)はパイロットがリモートで同時に複数のドローンを商用目的で操縦することを認めている。

これは米国におけるドローン配送にとって大きな一歩だった。消費者は今後ますます多くの商品がドローンで宅配されるようになると期待できる。今月初めに宅配便大手のUPSもFAAからドローン宅配サービスの実験の承認を得ている。Wingが成功したことでUPSのテストも大幅に加速されるだろう。パイロットプログラムではない日常の宅配サービスとなるとドローンの利用はしばらく先のことになるだろうが、立法、行政、民間事業者ともこの実験の結果から学ぶことは多いはずだ。

【Japan編集部追記】Wing製作のプロモーションビデオには「サイクリング中に山中でケガをした、子供のバースデーケーキを焦がしてしまった、馬に乗ろうしたら金具が壊れた」などの緊急事態にドローン宅配が対応するようすが描写されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook