AmazonのEchoスピーカーとその子孫Dot and Tapは、消費者に好まれる家庭用の“お利口な”スピーカー、そして声を出すコンピューターとして、人気が拡大している。しかしそこにはさらに、“スキル(skill(s))”と呼ばれるアドオンをめぐってデベロッパーの関心の高まりもある。スキルは、AmazonのパーソナルアシスタントAlexaに教える新しいワザのことで、Uberを呼んだり、ピザを注文したりなど、いろいろある。今日(米国時間6/3)Amazonは、Alexaのアプリストア(のようなもの)のスキル部門において、スキルの数が1000を超えた、と発表した。昨年の6月まではEchoは招待制でしか手に入らなかったから、それにしては大した数だ。
同社はAlexaの能力を、インターネットに接続されたそのほかのデバイスにも移植しようとしている。それは同社のFire TVもあるし、またオープンなプラットホームだからサードパーティのハードウェアもありだ。
Alexaのスキルは、今年の1月の時点で130強だったから、半年足らずで1000を突破とは、ものすごい成長である。
今日の発表の中でAmazonは、注目すべきスキルをいくつか挙げている。金融サービスのCapital One、ピザのDomino’s、フィットネスのFitbit、航空券/ホテル予約のKAYAK、スマートホームのSmartThings、Uberなどなどのスキルだ。AmazonでAlexaを担当しているディレクターRob Pulcianiによると、Alexaのスキルを作っているサードパーティのデベロッパーは数万人いるそうだ。Alexaをいじくることが、デベロッパーたちのあいだで、ブームになりつつある。まだスキルを一つもローンチしてない人も、多いようだけど。
Alexa用の音声で起動するアプリ、すなわちスキルは、Alexa Skills Kit(ASK)を使って作る。そのアプリは顧客のリクエストを聞いて理解し、解決し、それをデベロッパーのエンドポイント(目的アクション)にマップする、とAmazonは説明している。これらの“デベロッパー語”に慣れてない人は、Amazon提供のドキュメンテーションで勉強しよう。
Alexaの能力は、時間とともに着実に良くなっている。
たとえば3月にAmazonはAlexa Voice Servicesを改良した。それによりデベロッパーは、Alexaの音声コントロールを自分のデバイスに実装できる。また今週Amazonは、ASKに4つの新しいインテントを加えた。これで、サードパーティアプリのユーザーは、スキルをもっと容易にナビゲートできる。リストの次のアイテムへ行ったり、進行中のアクションをポーズしたり、前のアイテムに戻ったり、アクションを再開したり、などなど。
スキルが増えてAlexaがより有能になるのは嬉しいけど、今度はスキルの発見が問題になる。
Alexaの“アプリストア”のスキル部門は、まだ機能が貧弱だ。検索機能は弱いし、スキルがカテゴリーで分類されていない。ほかのアプリストアには必ずある、人気上位作品のトップチャートもない。1000を超えてまだ成長中だから、ベストアプリを目立つように陳列したりして、ユーザーが良いスキルを見つけやすいようにすべきだ。