Amazon(アマゾン)が米国時間10月10日朝に発表したところによれば、Amazon MusicをApple TVで楽しめるようになる。これにはApple TV 4K、Apple TV HD(tvOS 12.0以降)が含まれる。Amazon Musicが加わったのは数日前にSpotify(スポティファイ)がApple TVで利用可能になったことに続くものだ。
Apple TV向けの新しいAmazon Musicアプリは米国や日本のほか、英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、フランス、イタリー、スペイン、ドイツ、メキシコ、ブラジル、インドで公開される。
これでアマゾンとApple(アップル)は音楽ストリーミングサービスを相手のプラットフォームに相互乗り入れすることになり、長年緊張していたアマゾンとアップルの関係はやや緩和された。
新しいAmazon MusicのFire TVアプリには数百万の楽曲と数千のプレイリストが含まれている。Spotifyで人気のラップ音楽のプレイリストであるRap CaviarはAmazon MusicではRap Rotationとなっている。ユーザーは楽曲名、アーティスト名で個別検索できるのはもちろん、マイミュージックタブには購入ないしインポートした曲やアルバムが分類・表示される。
Apple TVへのAmazon Musicの乗り入れは3月にApple MusicがFire TVで利用可能になったことに続くものだ。
両社の関係が改善に向かっていることは、例えばアマゾン本体におけるアップル製品の取り扱いを拡大したことにも示されていた。今や Apple TVだけでなくApple Watch、Beatsヘッドフォンもアマゾンのストアから購入できる。子供向けの電子書籍、映画を提供するFreeTime UnlimitedアプリのiOS版が配布されたのと同時に Apple MusicもEchoデバイスで利用できるようになっている。
もともと2017年12月以降、Amazon Prime VideoはApple TVで見ることができたが、 来るべきアップルのストリーミングサービスであるApple TV+ではFire TVを含むクロスプラットフォーム機能を約束している。こうした緊張緩和の流れの中にあっても今回のアマゾンの動きが注目されるのには反トラスト法という別の観点があるからだ。
現在、アップルは米司法省以外にもEU、ロシアなど各国の反トラスト法当局による厳しい調査の対象となっている。
ことにSpotifyは反トラスト法に違反する不当な競争阻害を行っているとしてアップルを非難してきた。これには「アップル税」と呼ばれるアプリ内課金への手数料、 アプリアップデートへの過度な干渉など. SpotifyがApple Musicのライバルだとして不利な取り扱いをされたとする例がいろいろ含まれている。これに対してアップルは自社プラットフォーム上で多数のライバルが運用されていることを挙げて反論していた。しかし最近の音楽ストリーミング各社の動向からすると、こうしたライバル関係の緊張は緩和に向かっているようだ。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)