この週末Apple App Storeのトップセールス(Top Grossing)チャートに、あまり知られていない有料アプリがいくつか登場した。App Storeが新しいアルゴリズムをテストしているのか、かなり大きなバグなのかどちらかと思われる。この状態が始まったのは金曜日で、トップセールスアプリだけの現象のようで、トップ無料とトップ有料アプリでは起きていない。
しかしトップセールスチャートは、全体チャートだけではなくApp Storeの全カテゴリーが影響を受けている。
あるデベロッパーによると、自分たちのアプリはカテゴリーで2位だったのが35位に下がったという。これが彼らに問題を知らせた最初の警告だった。その日は非常に好調で、過去最高の月になるかもしれない時だった。
先週末を通じて、トップセールスチャートでふだん上位を占めていたアプリが順位を下げ、人気の低いアプリが取って代わった。まるでアルゴリズムが有償アプリをアプリ内購入で稼ぐアプリより優先するようにアルゴリズムが変更されたかのようだ。
例えば、 アルゴリズムの変更は一部の絵文字アプリに有利に働いていてSteph CurryのStephMojiもその一つだ。しかし、絵文字アプリがいくつか急に人気を得るのはわからないでもないが、もっとニッチなContruction Manager Proや15ドルの翻訳アプリがチャートに登場するのは場違いに感じる(下の画像参照)。
Image Credit: Sensor Tower
ソフトウェアメーカーのEquinuxが提示する一つの理論は、Appleが新アルゴリズムの実験を行っていて、定期購読による収益のウェイトを減らし、有料アプリを重視しているのではないかというものだ。
このところトップセールスチャートが停滞気味であることを踏まえると、これは理にかなっている。
近年App Storeのトップセールスチャートは、SupercellのClash RoyaleやCandy Crush、ポケモンGO等の常連人気ゲームと、Netflix、Pandora、Spotify等のトップストリーミングサービスで占められている。
最近Appleは定期購読サービスを拡大して、これまで以上に多くのアプリが利用できるようになっ たが、定期購読アプリの人気が高くなったためにトップセールスチャートには同じ顔ぶれのアプリが並ぶ傾向にある。これでは新しいアプリが割り込むのが難しくなり、チャートを見る楽しみが半減する。
変更されれば、有料アプリは定期購読アプリと同じ条件で競えるようになる。新アルゴリズムは定期購読の最初の新規利用分だけを勘案し、更新は考慮しなくなるらしいからだ。
インディー系アプリにとっては歓迎すべき変更で、ビッグネームと並んでランキング入りするチャンスがようやく巡ってくる。
残念ながらそうはならなかった。月曜日(米国時間2/20)の午前0時、すべてが元に戻った。
もちろんこれは、AppleがApp Storeのアルゴリズムについて少なくとも〈考えている〉ことを示すものだ。ただし、アプリの発見にどれほど効果があるかはまた別の問題だ。トップチャートで何がトレンドかを見るユーザーも何パーセントか存在するだろうが、大方はApp Storeをキーワードで検索するか、まとめ記事を見るのが普通だ。ともあれトップセールスチャートは改変の時期を迎えているので、Appleが今後もこの種の実験を続けても不思議はない。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)