今年始めAppleはiOS App Storeに大掃除を行うことを約束した。App Storeには大昔に登録されたまま放置されているアプリが無数に存在する。こうしたアプリの多くは現在のガイドラインには準拠していないもの、当初のデザインの通りに作動しないものも多い。アプリ統計分析会社のSensor Towerによれば、こうしたアプリを排除するApp Storeの大掃除がいよいよ開始されたという。同社は今年の10月だけでアプリ削除件数が増加して238%に達したことを発見した。削除されたアプリの大部分はモバイル・ゲームだった。
Appleは当初、時代遅れになったアプリを保存する期限は2016年9月7日までだとデベロッパーに告げていた。しかし期限が来てもAppleはすぐには大規模な削除をj始めなかった。
事態が動き始めたのは10月に入ってからで、Sensor Towerは「4万7300のアプリがApp Storeから削除された」としている。
Appleは普段もアプリの削除を行っているが、その件数は多くなかった。今年1月から9月までの月あたり平均削除件数は1万4000件で、10月はその3.4倍となる(下のグラフ参照)。
この数字によれば、Appleは当初の約束を守って本気でApp Storeのゴミ掃除に乗り出したようだ。
削除されたアプリではゲームが最大のカテゴリーだったと述べたが、これはApp Storeでゲームがもっとも登録アプリ数もトラフィックも多いことを考えれば当然だろう。Sensor Towerのレポートによれば、削除された4万7300のうち、約28%がゲームだった。エンタテインメント、本、ライフスタイルの各分野がこれに続いた。
非ゲーム分野での削除件数ははるかに少ない。エンタテインメントと本はほぼ同率でそれぞれ8.99%、8.96%だった。ライフスタイルは8%、教育は7%とさらに少ない。
削除はこれで終わったわけではなく、今後も引き続き行われる見込みだ。最近行われたApp Storeの放置アプリに関する調査では登録アプリの半分近くが2015年5月以來アップデートされていない。25.6%のアプrは2013年11月以來アップデートされていない。
ただしわれわれとしてはAppleが何をもって「放置」とみなすかという定義を知りたいところだ。この秋Appleはデベロッパー向けメッセージで削除される対象として「現在の審査ガイドラインに適合しない、あるいは意図した作動をしない」アプリに加えて「長期間アップデートされていない」アプリを挙げている(強調は筆者)。
この定義はわざとあいまいにしてあるようだ。Appleは個別のアプリについて判断する余地を残しておきたのだろう。最終アップデートの期限を明確にしてしまうとルールが硬直しがちだ。
この大規模な削除の間にもApp Store自身は拡大を続けていた。Sensor Towerによれば2020年までに現在の2倍以上の規模となり、500万のアプリが登録されているだろうという。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)