Amazon Web ServicesがEUの顧客のために、フランスのパリに新しいリージョンを立ち上げた。これはドイツ(フランクフルト)、アイルランド、イギリス(ロンドン)に次ぐヨーロッパ第四のリージョンだ。パリ・リージョンのアドバンテージは、フランスのテクノロジー企業にとってデータプライバシーの規制に準拠しやすいことだ。
このリージョンにはアベイラビリティーゾーンが三つあり、それぞれが自分のインフラストラクチャを持って地理的に分かれている。電力などのインフラを独自化しているのは、災害時などにサービスが全滅しないためだ。パリ・リージョンではさらに、顧客がフランスに保存したユーザーデータが、顧客自身が移動させないかぎり、AWS自身の都合などでは移動されない。フランスのデータ独立法は厳しくて、テクノロジー企業はフランス国民からのデータを国内に保存しなければならない。AWSはすでにフランスに三つのエッジネットワークロケーションを持ち、顧客がそこからWebサイトなどのサービスをエンドユーザーに届けられるようにしている。
声明文の中でAWSのCEO Andy Jassyが言っている: “すでに数万ものフランスの顧客がフランスの外のリージョンからAWSを使っているが、彼らはフランスの国内にリージョンができることを熱烈に要望していた。それはレイテンシーに敏感なワークロードの多くを容易に運用できるためであり、またフランスの国土の上に在住すべきデータをすべてそこに格納できるためだ”。
AWSのすべてのリージョンに共通する同一のセキュリティ準拠規格もあるほか、AWSのインフラストラクチャは、さまざまな国のプライバシー関連法を守りつつ大西洋にまたがって情報交換を行うためのフレームワークEU-U.S. Privacy Shieldを認定されている。またEUが2018年5月25日に実装する予定のGeneral Data Protection Regulation(GDPR)にも、準拠している。
AWS EU(Paris)と呼ばれるパリのリージョンの開設により、AWSのリージョンは全世界で18になり、アベイラビリティーゾーンは49になる。AWSのフランスの顧客には、Canal+, Decathlon, Les Echoes, Schneider Electric, Societe Generaleなどがいる。
〔参考記事: AWSのリージョンとアベイラビリティーゾーン〕