物のインターネット(Internet of Things, IOT)は、近未来のもっともホットなテクノロジー、今やどこのカンファレンスへ行っても主役級の扱いだ。IoTという技術の突出した特徴のひとつが、多くのデバイスが常時大量のデータを吐きつづけること。そしてそれらのデータの意味を知ることが、システムの重要な課題になる。そこでAmazon AWSは、独自のIoTアナリティクスサービスAWS IoT Analyticsを、今日(米国時間11/29)のre:Inventカンファレンスで立ち上げた。
AWSのテクニカル・エヴァンジェリストTara Walkerのブログ記事によると、このサービスの究極の目的はIoTが吐き出すデータをすべて管理することだ: “AWS IoT Analyticsを利用して、メッセージを処理したり、大量のデバイスデータを収集保存したり、データをクェリしたりできる。このサービスはデータ視覚化サービスAmazon Quicksightや、オープンソースのデータサイエンスツールJupyter Notebooksを統合している。後者によって、データを機械学習で処理することも可能だ”。〔参考記事〕
上記の最後の部分は、センサーやデバイスからやってくるデータをベースに機械学習のモデルを作るときに便利だ。AWSが今日発表した、機械学習のモデル制作支援ツールSageMakerも、やはりJupyter Notebooksをサポートしている。
IoTから出てくる膨大な量のデータをユーザーが直接、QuickSightのような汎用ツールで処理するのは酷である、と考えたAmazonは、このAWS IoT Analyticsという専用ツールを作ったのだ。しかもQuickSightでは、何が起きたのかを見ることはできても、これまでのデータの傾向に基づく予測ができない。
たとえば、このIoT Analyticsを使えば、工場などの機械が実際に故障する前に、メンテナンスが必要である状態を知ることができる。本番稼働時に急に停止するのではなく、ユーザーが自分の意思で余暇時間などにメンテできる。
このIoT専用のアナリティクスツールは、IoTのセンサーからのデータを収集、保存、そしてクェリでき、特定のデータ集合を一定の時間間隔で取り出すことができる。
Amazonが汎用のBI(ビジネスインテリジェンス)サービスAmazon QuickSightを立ち上げたのは、2015年だ。