新型コロナウイルス(COVID-19)の蔓延によって6週間前に都市封鎖が始まったとき、Boxの幹部は状況を議論するために会議の席についた。もちろんそれぞれの部屋で。彼らは他の人たちと同じように、ウイルスに隔てられてはいたが、これは会社としてのBoxにとって重要な瞬間であると認識していた。
彼らは、デジタルトランスフォーメーションについて何年も語り続け、彼らのクラウドコンテンツ管理プラットフォームを顧客が利用できるよう支援を続けてきた。そして、何百万人もの働き手たちが自宅で働くとという極めて重要な瞬間に立ち会うことになったのだ。
BoxのCEOであるAaron Levie(アーロン・リービー)氏は、同社の幹部はいま目の前に見えているものが一時的な出来事なのか、それとも永遠に仕事を変えてしまうものなのかを判断しなければならなかったと述べている。
議論を重ねた結果、これは長期的に物事を変えていくのだという結論に達し、製品ロードマップを加速させることになった。「私たちは6週間前の時点で、これはビジネスの仕組みに関する長期的な変化になるだろうという結論に賭けることを決定しました。そして、もしその先各社のオフィスが再開されても、企業はこの種の出来事に対する回復力を持ちたい筈だ、と考えたのです」とリービー氏は説明した。
Boxの観点からは、それは重要な3つの方向として捉えられた。第一に従業員はファイルを安全に共有できる必要がある(Boxのスイートスポットそのもの)。次に、彼らは組織内外の人々と協力する必要がある。そして最後に、他のクラウドアプリケーションの内部で作業しているときに、Boxに保存されているファイルを操作するための最良の方法はどのようなものか?
これらはすべて、リービー氏が長年話し続けてきたシナリオであり、ある程度はBoxがすでに提供していたものだ。しかし、彼らはいくつかの新機能を追加しながら、すべてを強化したいと考えたのだ。まず第一に、ユーザーがファイルのやり取りやを共有やすくするために、すっきりとしたインターフェースを提供する。
また、Collection(コレクション)と呼ばれる新機能を使用して、ユーザーがそれらのファイルを整理できるようにする。これにより、ユーザーはファイルとフォルダーを意味のある方法でグループ化することができる。これは個人ベースで整理されるものだが、組織内でコレクションを公開できるようにして欲しいという要求がすでに聞こえ始めており、将来的には何らかの対応が行われるとリービー氏は述べている。
次に、注釈機能を追加して、ファイルに対して単一の編集者として、またはグループディスカッションの形でコメントを簡単に追加できるようにする。Google Docsのコラボレーションツールのようなものだが、どのようなドキュメントでも、個人やグループがリアルタイムでリモートでファイルにコメントすることができる。これは多くの人が今現在必要としているものだ。
そして最後に、外部のパートナーや顧客と、特別なランディングページからBox内のファイルを共有できるようになる。リービー氏によれば、これはBox Shieldと連携して機能する。先月発表された このマルウェア検出 機能によって、そうしたファイルが安全に共有されるようになっている。
「企業は、この秋だろうが、来年だろうが、あるいは今から10年後だろうが、そのとき何が起ころうとも、手作業が介在せず、従業員が自宅から瞬時にアクセスできる、物理的なやり取りができないイベントに、柔軟に対応できるように準備しなければなりません。そしてそのことによって、テクノロジーの観点から会社の優先順位を調整する方法は劇的に変化することでしょう」とリービー氏は述べている。
上に挙げた新機能は、そうした巨大な戦略的課題のすべてに応えるものではないかもしれないが、これはBoxにとって、人々がより直接的に働く方法へ向かう入口となる場所なのだ。そして彼らはそれを掴み取るためにロードマップを加速したのである。
これらの新機能は、本日から数週間かけて展開される。
画像クレジット: TechCrunch
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(翻訳:sako)