CI/CDを末端企業にも普及させたいArmoryはY Combinator出身で$10Mを調達

オープンソースのSpinnakerプロジェクトをベースとするCI/CDプラットホームArmoryが今日(米国時間8/22)、シリーズAのラウンドにより1000万ドルの資金を調達したことを発表した。このラウンドはCrosslink Capitalがリードし、Bain Capital Ventures, Javelin Venture Partners, Y Combinator, そしてRobin Vasanらが参加した。

ソフトウェア開発は、ここ数年で確かに変わった。間隔の長いアップデート・サイクルに代わり、継続的デリバリが主流になってきた。このコンセプトは今では、継続的インテグレーション/継続的デリバリ(continuous integration/continuous delivery)を表すCI/CDと呼ばれている。Armoryのプロダクトは、このタイプのソリューションをデプロイするときに伴う複雑性を、軽減しようとする。

同社を創業したときファウンダーたちは、CI/CD技術のバックエンドのベースとしてSpinnakerを使う、と決めた。それは、GoogleやNetflixなど業界の大物たちが支持しているプロジェクトだからだ。ArmoryのCEOで協同ファウンダーのDaniel R. Odioが、今回の資金調達を発表するブログ記事でこう述べている: “Spinnakerは大規模で本格的なマルチクラウドのデプロイを支えるスタンダードになるだろう。自分たちで新たに継続的デリバリのプラットホームを内製で構築する、そんな車輪の再発明を避けて、SpinnakerをArmoryプラットホームのコアにするという、大きな賭をした”。

同社によると、その賭は報われ、Spinnakerの同社バージョンはエンタープライズのソリューションで広くデプロイされている。同社の目標は、Fortune 2000社がソフトウェアのデプロイを今よりずっと速くできるようになることだ。そしてそのためには、CI/CDのアクセスと理解が欠かせない。

今企業は、どんな企業でもソフトウェア企業になりつつあるから、どの企業もこれまでとは異質な部分を抱え込むことになる。GoogleやNetflixのような超大物は、最先端の方法により、ソフトウェアを驚異的なスピードでデプロイする方法を経験から学び構築しているが、製品の製造技術=ソフトウェア開発技術ではない、そこらのふつうの企業は、ソフトウェア技術者もそんなに多くないから、Googleなどに追随することは難しい。

その空隙を補ってくれるのが、Armoryのような企業だ。同社は、オープンソースの技術を核として、その複雑性を包み隠すパッケージにより、高度なソフトウェアデプロイ技術を持たない普通の企業でもCI/CDを導入できるようにする。

中でもとくに同社が強調するマルチクラウドでクラウドネイティブなソフトウェア開発方式は、ユーザーのアプリケーションやインフラストラクチャを、オンプレミスも含む複数のクラウドに分散可能にする。そのようなデプロイ技術の重要な部分が、継続的デプロイを管理する技術だ。

Armoryは2016年にローンチし、ベイエリアに拠を構える。これまで1400万ドルを調達したが、そのうちの400万ドルのシードラウンドは昨年行った。同社はY Combinator 2017冬季の卒業生であり、Y Combinatorは今回の投資に参加している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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