DeNAの低学年向け教育事業「アプリゼミ」–タブレット向けにサービス開始

スマートフォンやタブレット向けの知育、教育サービスはネットサービスのトレンドの1つだ。知育アプリを手がけるスマートエデュケーションや教員と生徒向けのクローズドなSNSを提供するednity、先生間の情報共有向けSNSのSENSEI NOTEなど、スタートアップだけでもプラットフォームからコンテンツまで、ありとあらゆるサービスが提供されてる。

そんな中で、ディー・エヌ・エー(DeNA)が通信教育アプリ「アプリゼミ」を3月20日にスタートし、教育事業に参入した。サービス自体は2013年末に発表されていたもとなる。iOS、AndroidそれぞれのOSに対応しており、当初は「小学1年生講座」のみを提供、新1年生向けに算数と国語、さらに小学校低学年向けの英語の3教科を提供する。保護者向けには進捗確認やメールでのお知らせ機能、分単位の学習時間設定といった機能も提供する。

タブレット向けに日々の家庭学習を提供するサービスとしては、ジャストシステムの「スマイルゼミ」(2012年11月開始。専用端末を使用し、1年継続で端末代金無料。月額3600円)やベネッセの「チャレンジタッチ」(3月末提供開始。専用端末を使用し、半年継続で端末代金無料3250円)などが先行する。

これに対してアプリゼミは、端末に依存せず利用可能で月額は980円(アプリゼミサイトから購入した場合。アプリストアからの場合1000円)、さらに4、5、6月はサービスを無料化するなど、サービス利用までの障壁の低さで勝負する。「紙の教材だと、通常月額3000円程度になる。それに比べて印刷代や郵送費といったコストをかけないことで、980円を実現した」(DeNAエンターテインメント事業本部企画推進部アプリゼミ総合プロデューサーの床鍋佳枝氏)

アプリゼミでは、DeNAがゲームなどのサービスで培ったノウハウをもとに、難易度調整やリワード導入などをして、教育とエンターテインメントを組み合わせた「エデュメント」を実現するという。これによって勉強が好きになるだけでなく、自ら取り組み、身にけるというサイクルを作るという。教材は、NHKエデュケーショナルが監修する。

すでに東京都多摩市立愛和小学校など2つの小学校で実証実験を実施したところ、5日間の利用でテストの点数が上昇しており、また学習時間についても想定の半分で終了したことから、「エデュメントを実現することで学習が進んだ。今までの倍以上の分量を学べる」(床鍋氏)と語る。通常は1教科1日10分ずつ学習すれば、1カ月の学習が完了するという。


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TechCrunch Japan

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