DNAテストの23andMe、自宅用テストキットの販売に米食品医薬品局から中止命令

米国食品医薬品局(FDA)は、遺伝子テストのスタートアップで、Anne Wojcicki、Linda Avey、Paul Cusenzaの3人が2006年に共同設立した23andMeに対し、同社の家庭用DNAテストキットの販売を11月22日付で中止するよう命じた。Bloombergの記事によると、FDAが同社に送ったレターには、同キットが医療用品に分類され、販売には規制認可が必要であると説明されている。

23andMeのミッションの一つは、人々が本人あるいは子供の遺伝子的疾患や症状のリスクを評価することにあり、FDAはその点を問題にしているようだ。医学的リスクの評価は、たとえそれが23andMeのサービス唯一の目的でなくても、キットが医療装置として分類されることを意味する、と同局は言っている(単なる好奇心や、進行中の研究を支援するためにテストを受けた人々も多い)。23andMeの合計40万件の被験者データベースは、遺伝子研究者にとってまさしく宝の山だ。しかし、もし患者が乳がんを発症する可能性が高いという結果を受け取り、予防対策として両乳房切除手術を受けた結果、実は偽陽性だったというケースを考えれば、大きなリスクであり監視の必要性は正当化される。

23andMeはGoogleの出資を受けており、2007年のシリーズAラウンドで390万ドルを調達し、最近にはシリーズDラウンドで、Google、NEA、Milner等から5000万ドルの資金を調達した。利用者は唾液のサンプルを送るだけでよいというこの自己テストサービスは、2008年にTIME誌の「年間最優秀発明」に選ばれている。同社は以前にも規制のハードルに遭遇しており、ニューヨークとカリフォルニアの州当局は、認可制度を理由にテストを禁止しようと試みたが、後に23andMeは認可を取得しサービスを継続した。

かつて23andMeは、キットの承認を得ようとFDAに申請したことがある。しかしFDAは、以前両者で確認されていた問題が解決されていなかったと語った。本件に関する既得権にまつわる不安もある。米国最大の保険会社は、2012年に23andMeのテストを強く非難した。23andMeは、巨大かつ利益を生む市場を開拓したため、金の行き先について保険会社が口を挟みたくなる理由は十分にある。

本誌は23andMeにコメントを求めており、情報が入り次第隊報続報する。

アップデート ― 23andMeから以下の声明が届いた。

当社はFDAから警告文書を受け取った。申請に関する時期と連絡について、当社がFDAの要望を満たしていなかったと認識している。FDAとの関係は当社にとって極めて重要であり、同局の指摘への取り組みに最大限の努力を投じることを約束する。

写真提供:flickr user lovemypit

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(翻訳:Nob Takahashi)