今日(米国時間3/23)、Dropboxが上場を果たし、公開企業の仲間入りをした。1株当たり21ドルで売り出し、7億5600万ドルを市場から調達した後、株価は一時31.60ドルまで跳ね上がった後、28.48ドルで取引を終えた。上場初日のアップ幅は36%となった。
Dropboxのパフォーマンスは市場がクラウドストレージサービスの将来に強い期待を寄せていることを間違いなく示している。同社は上場売り出し価格の範囲を16ドルから18ドルに設定したが、その後18ドルから20ドルに上方修正していた。
またDropbox の終値は、前回の資金調達ラウンドの際の評価額、100億ドルを大きく超えたことを意味する。 希釈後のDropboxの時価総額は120億ドルとなった。
Dropboxの3017年の売上は11億ドルで、. 2016年の8億4500万ドル、2015年の6億400万ドルから順調な伸びを見せている。
2016年以降、キャッシュフローは黒字であるものの、損益では1億1200万ドル近くの赤字を出している。しかし赤字幅は2016年の2億1000万ドル、2015年の3億2600万ドルと比較すると大きく圧縮されている。
有料ユーザー1件当たりの売上は111.91ドルだ。
フリーミアムモデルを採用しているDropboxが一般ユーザー向け企業なのかエンタープライズ向け企業なのかについてはこれまでも議論があった。同社の登録ユーザーは5億人いるものの、有料ユーザーは1100万に留まっている。
Dropboxは創立1年後の2008年にTechCrunch 50カンファレンスに登壇したが、ステージでピッチを行ったCEOのドルー・ハウストンはデモの途中、WiFiの不具合で立ち往生した苦しい経験を語っている。この記事でそのときのビデオが見られる。
上場時点でSequoia Capitalが発行済全株式の23.2%を所有し、最大の投資家となっている。SequoiaのサイトにはDropboxが2007年にシード資金を調達するために作成したスライドが掲載されている〔Original seed pitch from 2007というキャプションが付されている〕。2位の投資家はAccelで5%を所有している。
ドルー・ハウストンは25.3%を所有している。
Greylock Partnersも若干の株を保有しており、ジェネラル・パートナーのJohn Lillyは「Dropboxに投資したのはドルー・ハウストンとそのチームが仕事のやり方の将来に関して非常に明確なビジョンを持っていたからだ」と述べている。
しかしクラウドサービスを提供するライバルは数多く、Dropboxの市場では激しい競争が繰り広げられている。【略】
メディアではDropboxと比較されることが多いBoxに関してハウストンは「正面からのライバル関係ではない」と必要以上に重視しない姿勢を見せている。たしかに両者のサービスには類似点も多いが、ビジネスモデルではBoxはエンタープライズ寄りであり相当に異なる。Dropboxは投資家にこの点に留意するよう求めていた。初日の値動きを見ると、Dropboxの戦略は功を奏したようだ。
NasdaqのティッカーシンボルはDBXとなった。
われわれがDropboxの上場と将来像に関して討論した内容をポッドキャストとして下にエンベッドした。参加者のEric KimはGoodwater Capitalのマネージング・パートナーで、このレポートを執筆している。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)