今日(米国時間4/5)、Facebookはモバイル・アプリ内からライブ・ビデオを録画、検索、視聴できる専用タブ、Facebook Liveを発表した。FacebookのYouTubeなどに対する全面的攻勢が始まった。
このLiveタブは以前Messengerへのリンクとなっていたアイコンを置き換え、文字通りFacebookのセンターステージを占領している。ビデオはカテゴリーに分類され、Facebook上でワンタップでビデオを共有、視聴することができる。もはやニュースフィードに散らばったビデオのリンクと格闘する必要はない。
Facebookがライブビデオに賭ける熱意を表すビデオハブ機能はiOS版とAndroid版が用意されており、ここ数週間で世界のユーザーに公開される〔日本版:今朝はまだ日本では公開されていない〕。来るべきアップデートにはビデオハブ以外にもライブビデオ機能を中心とした改良が数多く含まれている。
- 自サイトでなくFacebookのライブビデオ機能を利用してビデオ放映を行うメディアなどのサイト運営者に対する報酬の支払い
- 特定のテーマを共有する家族やグループが利用するFacebookグループでのライブビデオの利用
- イベント・ページでメンバーを招待し、あるいは報告する際にQ&Aやライブビデオを含めることができる。結婚式に参加できなかった招待者がパーティーの模様をビデオで視聴可能
- ライブ視聴の際のリアルタイムでコメント書き込み
- ビデオをアップロードする際、検索されやすくするために内容に応じたタグづけ
- Facebookの6種類の「いいね!」、「ひどいね!」絵文字が動画に表示される(Periscopeのハート印の表示に似ている)
- カラー調整フィルターが5種類用意され、ライティング不要で見やすい動画に
- 動画視聴に友達を口コミで招待
- 世界で動画をライブ放映しているユーザーのマップ(現在はウェブ版のみ)。
- Snapchat式の動画への手書き書き込み(発表のみで未実装)
- ライブビデオの反応の表示。現在ビデオを見ているユニーク・ユーザー数が表示される。さらにビデオ放映の終了後、どの時点で何人が観ていたかを示すグラフが表示可能。
この大掛かりなアップグレードでFacebookはライブビデオの機能に関してTwitter傘下のPeriscopeを一気に追い抜いた。特にライブでビデオを視聴しながらコメントができる機能はベータテストで書き込みを10倍に増やす効果があったとFacebookでは述べている。
ライブビデオ機能は思いつきでFacebookに追加されたというわけではない。Facebookのビデオ機能の責任者、Fidji Simoによれば「このソーシャルネットワークの本質的な機能に根ざし、それらを拡張、強化するもの」だという。【略】
カメラさえあれば「アクション!」だ
Facebookがセレブや著名人を対象としたライブビデオのテストを始めたのは昨年夏にさかのぼる。昨年12月には一般ユーザーもFacebookのタイムラインでライブビデオを視聴できるようになっていた。しかし今回のアップデートで、テレビ局やセレブ、スターだけでなく、誰もがビデオをライブで公開できるようになった。24時間後に削除されるPeriscopeビデオと異なり、Facebook
Liveのビデオは恒久的に保存され、いつでも再生可能だ。
だが先行するPeriscopeは昨年3月に公開されて以來、リアルタイムビデオ共有の代名詞となっている。3月末の時点で公開されたビデオの総数は2億本となり、先月1ヶ月だけで1億本のビデオが共有されている。Facebookが挑戦する相手は巨大で機能も優れており、現時点で市場の支配者であるることは間違いない。
こうした状況hがFacebookがライブビデオ機能をニュースフィードのもっとも目立つ場所に表示した理由だろう。 FacebookのSimoは私の取材に対して「なんであれ先行者に優位性がもたらされるのは確実だ」と述べている。
Facebookページの場合と同様、こうしたプロモーションの努力が結果を出し、ビデオ機能の利用者の数がライブビデオの代名詞となるまでに増えることを期待している。とSimoは「昨夏以來、われわれがメディアやセレブにライブビデオの放映に協力を求めてきたのもライブビデオというコンセプトに慣れ、仕組みを知ってもらいたかったからだ」と述べた。
特にライブビデオが視聴統計の収集と表示に力を入れているのもビデオ放映者がFacebookを利用する理由になるかもしれない。またテレビ局など、プロのエンジニアが放映するビデオのためにAPIも用意されている。これはすでにNew York Timesが放映に利用したことをSimoが認めた。
さらにSimoによれば Facebookは一部のパブリッシャーに対し、自サイトでなくFacebookでライブビデオを放映するインセンティブとなるべく、ビデオ放映のコストに相当する額がFacebookから支払われるという。【略】
こうした初期のプロモーションの努力は大いに理にかなっている。オンラインにおけるビデオ広告はマーケティングにおけるもっとともホットな分野であり、ブランドはテレビCMに匹敵する巨額の資金を投じる用意がある。多くのユーザーがFacebookでライブビデオを公開し、さらに多数のユーザーが視聴するようにれば、ライブビデオのユーザーベースは大きく拡大する。ブランドはビデオ間に広告を挿入し、あるいはビデオの末尾に「その他のお勧め」としてプロモーションを行うことができるだろう。
もちろんネットにおけるエンターテイメントはきわめて競争が激しい。Facebookはベストの品質でなければならない。しかしそうであればビデオハブは多くのユーザーやクリエーターを惹きつけることができ、YouTube、Periscope、Snapchat等々に対して優位性を獲得することも可能になるだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)