人気テレビ番組についてみんなは何と言ってるだろう? 私の友だちは何と言ってるだろう? 古い写真に私についてどんなコメントがついているだろう?
今日(米国時間9/30)、Facebookが投稿本文のグラフ検索(Graph Search)を一部ユーザーに公開した。対象となったアメリカの英語版ユーザーは1兆件にも上る投稿を自由に検索できるようになる。ありとあらゆる物事について世界がどう考えているかが瞬時に明らかになるとともに、検索できないことによって守られていたプライバシーも過去のものになるだろう。
Facebookがこの1月にグラフ検索を発表したとき、対象はユーザー、写真、場所、興味に限られていた。特定の条件でユーザーや写真を検索できるだけだった。レストランなどのローカル・ビジネス、友だちのお気に入りのブランドなどを知るためには便利な機能だ。しかし国際アクセス、モバイル・アクセス、本文の検索という3つの重要な機能が欠けていた。
それ以後Facebookはグラフ検索のサポートを限定ベータ・ユーザーからアメリカの英語版ユーザー全員へと拡大した。しかしグラフ検索は自然言語の質問文を利用したセマンティック検索なので、多言語化が難しい。またFacebookはモバイル第一のサービスにシフトしているという割には現在まだモバイルからのグラフ検索もできていない。
しかし今日、Facebookは3番目の課題、本文の検索を解決した。グラフ検索でFacebookに投稿されたあらゆる情報、近況からコメント、写真のキャプション、ノート、チェックインまでが検索可能になった。今日この機能が公開されたのはアメリカの英語版ユーザーのごく一部に過ぎないが、私の取材に対してFacebookの担当者が語ったところによると、「ユーザーからのフィードバックによってさらに改良を加えた上で近くすべての(アメリカの英語版)ユーザーに公開する」という。
検索不可能性によるプライバシーの終焉
Facebookの歴史を考えると、グラフ検索はタイムラインの導入が目指した方向の自然な延長線上にあるとわかる。タイムライン以前は過去の投稿を読むにはその友だちのプロフィール・ページを訪問し、何百回も「もっと読む」ボタンをクリックしなければならなかった。これはいってみれば「検索できないことによるプライバシー」だ。ユーザーの過去の投稿は公開されており、理論的にはアクセス可能jだが、探しだすために手間がかかりすぎて現実には秘密にされているのと同じことになっていた。
ところがタイムラインの導入でこうした過去の投稿を表示することが劇的に容易になった。グラフ検索では友だちだけでなくあらゆるユーザーのあらゆる公開情報が検索可能となる。グラフ検索は「検索できないことによるプライバシー」を過去のものにする。なんであれユーザーのFacebook上の発言はすべて検索によって明るみに出されてしまう。酔っ払った、興奮した、鬱だ、などという発言も汚い言葉で罵ったこともすべて白日の下にさらされてしまう。
私は無用に恐怖を煽るものではない。もちろんグラフ検索には便利で面白い面が多々ある。しかしこれを機に自分の活動のログを見なおしてプライバシー上問題がありそうな情報が含まれていないか見なおしておくことをお勧めする。Facebookがグラフ検索の新機能の公開を一挙に行わないのは一般ユーザーに準備の時間を与えるという面があるかもしれない。【後略】
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)